意外に多い?少ない?
「地球温暖化」をどれくらいの人々が気にかけているか、その差が生まれる要因は何なのかを調査したレポートが発表され、およそ40%の人が地球温暖化を知らないことがわかりました。研究者は2007年から2008年に100以上の国から集めたデータを細かく分析、国別の認知度の差や社会的な原因をあきらかにしようと試みています。
彼らの発見の一つは、発展途上国にくらべると先進国のほうが地球温暖化について気にかけている人の割合が高いこと。ちなみに、地球温暖化を知っている人の割合はアメリカやカナダで90%なのに対して、インドやパキシスタンでは30から39%、エジプトでは30%以下となっています。
ただし、地球温暖化について知っている発展途上国の人々は、先進国の人に比べてより深刻な問題として温暖化を捉えている傾向もあきらかになりました。研究を率いたAnthony Leiserowitzさんは次のように話しています。
これ(途上国の人がより心配している状況)は、直感的に理解できますよね。現実として、彼らはより被害を受けやすい状態にいるわけですから。
だからこそ、途上国の人々が地球温暖化についてあまり知らない状況はゆゆしき問題なのだと彼は言います。
地球温暖化という概念を知らない場合、情報に基づいた適切な準備、長期的な投資を行なうことなど不可能です。残念ながら、彼らは大きな間違いを犯してしまうようなリソースはもっていないわけですが。
また、アメリカでは中国などでは教育水準が人々の意識に大きく影響していることがわかっています。共同研究者のEzra Markowitzさんは次のように話しています。
地球温暖化についての活動家は、万人に向けたコミュニケーションのやりかたを好みます。しかし、それが効果的であるかは怪しいんです。地球温暖化についてはそれぞれの人がそれぞれ違った理由で関心をもったり取り組んだりしているのですから。
単純に「みんなで頑張ろう!」と言うだけでは、世界中に働きかけていくには不十分ということなんでしょうか。ちなみに、データは2007年と2008年に集められたため、今はもう少し改善している可能性があると研究者は述べています。ただし、アメリカでは地球温暖化への関心は横ばいだというデータが発表されていたりするので、安心はできません。
image by Shutterstock
source: VICE News、nature
(Haruka Mukai)