初代Moto X は、グーグルに買収された後の初のスマートフォンとして高い評価を獲得しました。その後の第2世代も着実に進歩し、今回の「Moto X Style」(アメリカではMoto X Pure Edition)も例外ではなさそうです。米GizmodoのDarren Orf記者がさっそくハンズオンしてみましたよ。
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「Moto X Style」はすべての面で、去年のMoto Xから進化しています。期待のアップグレードはぜんぶ揃っています:より優れたクアッドHDディスプレイ、21メガピクセルのリアカメラと、フロントのセルフィー用フラッシュ、全体的に改善された見た目と手触り感。そして、たったの400ドル(約5万円)という値段。
Moto X Style Pure Edition(Universal LTEに対応したアンロック版)を手にとって、最初に気づくのがそのサイズです。同様にモトローラ製だったNexus 6は、縦にも横にも長い6インチの化け物でした。5.7インチのStyleは、昨年の5.2インチと同じ幅ですが、ディスプレイを伸ばしたことで明らかにより長くなっています。しかし、四方に薄いベゼルのおかげで、私が使ってきた大きいスマホの中で一番手に馴染みやすいデザインになっています。Nexus 6はこうあるべきだったのです。
右:Moto X Style、左:Nexus 6
昨年のMoto XとNexus 6のように、Styleも背面のパーツは端から端までカーブを描いており、それまでのMoto Xがそうだったようにさまざまな色や質感のパーツでカスタマイズでき、アルミのフレームもシャンパン(っぽい)ゴールド、シルバー、ガンメタルグレーから選ぶことができます。
本体を起動させ、YouTubeでいくつか高画質のビデオを観てみました。Styleでの視聴体験はかなり優れています。縦に伸びたディスプレイは、ランドスケープモードで映像をよりシネマティックに見せてくれるし、正面に向けられている2つのスピーカーはすべての音をしっかり(他機種のようにぜんぜん違う方向に、ではなく)こちらにぶつけてくれます。
ソフト面でも今まで以上に優秀です。改良された赤外線センサーのおかげか、Moto Displayの誤作動の確率が去年のMoto Xよりも格段に減っています。また、Snapdragon 808プロセッサによって、ハンズオンの最中にははっきりとわかるようなラグは起きませんでした。
1つ奇妙な決断は、AMOLEDではなくLCDディスプレイを採用したことでした。常時オンのMoto Displayでも旧Moto Xがバッテリーを無駄に消費しなかったのはAMOLEDのおかげなのですが、モトローラは新しいSnapdragon 808プロセッサとLCDパネルは、OLEDパネル無しでもそれらの機能に効率的に電力を供給できると約束しています。これに関しては、またいずれ細かく検証しなければならないでしょう。
またモトローラは、Moto Xの新しいカメラがiPhone 6を超えたと自信満々に語っていました。Gizmodoのカメラエキスパート、Michael Hession記者が低照度で両方を使って何枚か撮ってみたところ、たしかにMoto X Styleの画像はiPhone 6よりノイズは少ないものの、より優れていると言い切ることはできませんでした。素晴らしいカメラにとって、解像度とはあくまで要素の1つでしかありません。よりたしかな判断のためにはもっと時間が必要です。
値段についてですが、400ドル(16GB版のみ。その後1GB増えるごとに50ドル高くなります)という価格で手に入るスマホとしては、実に優秀ではないでしょうか。また最高128GBのマイクロSDカードで容量を拡張でき、しかもカードトレーはSIMカードと共有なのです。それぞれが表と裏に付けられるようになっています。
もちろん、搭載されない機能もいくつかあります。Android Mにおいて、グーグルはついに指紋センサーの公式サポートを搭載しますが、Moto Xは価格を落とすためにセンサーを不採用としました。ワイヤレス充電も同様です。しかしモトローラは、他の高額なスマホとは違った何か(スマートフォンとしてもっとも優秀であり、もっとも安い)を人々に選ばせるのに充分な魅力をStyleが持っていると考えています。
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それが果たして過剰な自信かどうか、これから明らかになっていくでしょう。早く手にとってみたいですね!
photos by Michael Hession
Darren Orf - Gizmodo US[原文]
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