あーもうっ! 何でそんな所にあるの。
動物園でトラを撮ろうとしたら目の前に金網があったり、きれいな夜景を撮ろうと思ったら窓ガラスに自分が映り込むので、好きな角度で撮れなかったり…。写真を撮る時に、障害物が邪魔でイライラすることって多いですよね。
多少の写り込みなら写真編集ソフトで消せますが、面倒だし画面いっぱいだったりするとお手上げです。でも、嬉しいことに写真に写り込んだ障害物を一発で消すアルゴリズムが開発されました。グーグルとMITの共同研究で、今月9日からロサンゼルスで開かれるCGの国際会議SIGGRAPH 2015で発表される予定です。
研究チームのMichael Rubinstein氏は、このアルゴリズムを「近くにある物ほど、動きが速く見える運動視差を利用しました」と解説します。「スマホを動かしながら撮ると、写り込んでいる障害物が本来撮るべきものより近くにあると判断できます。写真に写っているものを2つのレイヤーに分けられるので、いらない方を削除すればいいんです」。
それに加えてレンズについた水滴や汚れなども消せるようですよ。でも、降っている雨の写り込みは、遠近感を捕らえにくいのか、消せないようです。さて、Androidスマホでテストしたデモンストレーションを見ていきましょう。
向こうにトラがいますが、手前の金網が邪魔ですね。
なんと、金網だけパッと消えました! フォトショ職人が徹夜したわけでも、撮り直しをしたわけでもありません。
こちらの動画では、他にもいろいろな写り込みを処理したデモンストレーションが解説されています。
A Computational Approach for Obstruction-Free Photography
これなら障害物を気にせずに、好きな角度から写真が撮れそうです。まだ開発段階なので実用化は少し先になりそうですが、早くスマホに実装してくれないかなー。
source: MIT Technology Review
(高橋ミレイ)