ヒット曲「Romanticが止まらない」などで知られるバンド・C-C-Bのベースで、急性大動脈解離による多臓器不全のため7月13日に死去した渡辺英樹さん(享年55)のお別れの会が10日、東京・新宿BLAZEで行われた。
会は一般献花と追悼ライブの2部構成で公演前にはメンバーの笠浩二、米川英之が取材に応じた。気丈に振る舞った2人だが、米川が「数日間は信じられなくて、現実として受け止められなかった」とつぶやくと、笠も「お見舞いにも行けなかったので悔いが残った。この若さでまさか、明るい感じで元気だった人間が…。僕のほうが先かと思っていたので悔しい」と唇を噛んだ。
今後の活動についても質問が飛んだが、苦楽を共にした仲間が抜けた穴は大きく、米川は「まだ話してないね」と明かし、笠も「全然そこまでいっていない。受け止めているようで受け止めていない感じ」と胸中を吐露。「(バンドを)大切にしたいけど、それをどうするかは、リーダーがいなくなって柱がなくなっちゃったからね…」と語った。
それでも笠は「最後まで『いいバンドだったな』って言われるようになりたい」と前を向いていた。
追悼ライブでは「湿っぽくならずに明るく見送ってやりたい」との思いで、渡辺さんが制作した楽曲を中心に演奏。ステージの後ろのスクリーンには渡辺さんのライブ映像が映し出され、ボーカルとして音源が流された。会場に集った800人のファンも時折、大合唱をして天国の渡辺さんに音を届けた。
一般献花には、全国各地からファン約1500人が訪れ、献花台に花を添えた。時折、涙を拭いながら手を合わせる人も多く、取材の中で「悲しい」「信じられない」という悲痛の声や「今までありがとう」「お疲れ様、天国でゆっくりしてね」と感謝の声があがるなど、渡辺さんへのファンの愛がうかがい知れた。
ファンは一様に「C-C-Bの音楽はなくさないでほしい」「バンド活動は続けて」と活動継続を望んでおり、バンド再起への期待は大きいように見えた。