アゼルバイジャンのジャーナリストがファンから暴行を受け死亡したとイギリスメディア『BBC』が10日に伝えている。
ヨーロッパリーグ予選3回戦のガバラ(アゼルバイジャン)対 アポロン(キプロス)の一戦でガバラのFWジャヴィド・フセイノフがアポロン・サポーターの前でトルコの国旗を振り、さらにはこの件について「なぜ旗を振ったのか」と質問をしたキプロスの記者に対して無礼な態度を示した。
同メディアによると、アゼルバイジャンメディア『ann.az』に記事を寄稿しているラシム・アリエフ氏は、フセイノフが取った行動を「社会的倫理に反する無作法」と批判し、出場停止処分に値すると自身のフェイスブックに投稿していた。
同選手を批判したアリエフ氏はその後、フセイノフの親戚が待っていると呼び出され、サポーター・グループに暴行を受けたと伝えられている。そして皮下出血のため亡くなった。
この事件を受け、ガバラは事件を批判すると同時に、フセイノフを当面の間チームのメンバーから外すと発表している。
「クラブはジャーナリストのラシム・アリエフ氏が亡くなったと知り、悲しみに沈んでいます。ピッチの内外で起きるあらゆる暴力に我々は反対しています。クラブはメディアからの批判に対して常に寛容な態度を取ってきました。この事件でジャヴィド・フセイノフの名前が挙がっていることに失望しています。アリエフ氏に批判された後で、フセイノフとアリエフ氏は電話で冷静に話し合っており、問題はありませんでした。しかしながら、このような事件が起きてしまいました。犯人がすぐに逮捕され裁きを受けると信じています。この事件が解決するまで、キャプテンのジャヴィド・フセイノフはトップチームのメンバーから除外します」
なお、イギリス紙『インディペンデント』によると、アゼルバイジャンは国境なき記者団の「報道の自由度ランキング」で180カ国中162位であり、過去10年に政府批判などで9人のジャーナリストが逮捕され投獄されていると報じている。