中国メディアの環球網は8日、日本は核実験なしで核兵器を作る技術力があり、短期間で中国以上の核兵器大国になる能力があるとの考えを示し、警戒を呼び掛ける論説を掲載した。
中国城市安全研究所副所長の楊承軍教授による署名原稿。日本が第二次世界大戦中に核兵器の開発に着手しており、1970年代に発効した核拡散条約に署名したのは「敗戦国なのでやむをえない」との事情があったからと主張した。ただし、1967年に佐藤栄作首相が提唱した核を「持たない・作らない・持ち込まない」の非核三原則は国会決議を経て、日本の国策と定められたと説明した。
日本の現状については、2012年に第2次安倍政権が発足して以来、日本では絶えず、朝鮮半島の核の脅威を口実に、核兵器が必要との主張がされるようになったと主張。2015年には回答者の89.3%が核兵器を容認するアンケート結果も出たと論じた。
論説は、日本には世界最大のヘリカル型核融合実験装置があるなど、核融合技術で世界一流と紹介。核爆発実験をしなくても高性能のスーパーコンピューターによるシミュレーションで核兵器を作る能力があるなどと主張した。
さらに、日本はミサイル搭載用の核弾頭を開発する能力もあり、極めて短期間のうちに、「世界第3位の核兵器保有国」になれると主張した。
2014年時点で、世界で核兵器を最も多く保有する国はロシアで総数8000発、第2位は米国で7315発とされる。第3位以下はフランス(300発)、中国(250発)、英国(225発)の順だ。論説は具体的国名を挙げなかったが、日本はすぐにでも、中国を超える核兵器の保有が可能との主張と考えてよい。
日本が核兵器を保有した場合については「西太平洋地区、とくにわが国の安全に対する重大な脅威」、「アジア太平洋地区での核軍拡競争を刺激」、「日中関係が悪化」、「日本の右翼勢力が、これまで以上に遠慮なく侵略の歴史を否定」と指摘。偶発的理由による「突発事態」の可能性も増大するとの見方を示した。
論説は、日本の核兵器についての動向に「強い関心を持ち続けねばならない。絶対に警戒を緩めてはならない」と主張した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)