安倍晋三首相が14日に公表する戦後70年談話の原案で、先の大戦に関する「おわび」の文言が記述されていることが11日、分かった。原案は、戦後50年の村山富市首相談話のキーワードである「侵略」や「植民地支配」にも言及。複数の政府・与党関係者が明らかにした。首相は談話の内容について、14日の閣議決定に向けて最終調整を進める。

 首相は当初、戦後の歴史に区切りを付ける目的から、談話に先の大戦への「謝罪」を盛り込まない意向だった。だが、公明党は「心からのおわびの気持ち」を表明した村山談話などの継承を要求。首相は同党への配慮のほか、安全保障関連法案の審議などの影響による内閣支持率下落を受け、さらなる世論の反発を避けるため安全策に傾いたとみられる。

 原案は、「侵略」と「植民地支配」も盛り込んだ。有識者会議から異論も上がった「侵略」に関して政府内では、国際社会で認められない行為などの文脈で取り上げ、先の大戦での日本の行為との位置付けと一線を画す案が浮上している。