まさに泣きっ面に蜂。
台湾の端末メーカーHTCの株価が2015年に入ってから60%下落し、時価総額15億ドル(約1,870億円)以下になってしまいました。これは同社の6月時点で持っている現金を下回る数字です。つまり、投資家から見ると、ブランドやビル、工場をひっくるめた企業価値がゼロという意味です。
売り上げも第2四半期が10億3707万ドル(約1,292億円)でしたが、第3四半期の見込みは5億9692万〜6億9117万ドル(約744億〜861億円)と激減。
以前はトップクラスのシェアだったHTCが、ここまで追い込まれてしまったのは、どうしてなんでしょう? ひとつは最近のユーザーの傾向がiPhoneか格安スマホの二択になっていること。加えてサムスンやXiaomiなどにシェアを取られて辛い戦いを強いられていたようです。
今年に入ってからは、フィットネストラッカーやVRヘッドセットなどにも手を広げていたようですが、正直どれも迷走気味な気も。
さらに、最悪のタイミングで、HTC端末の指紋認証に深刻な脆弱性があることが分かりました。iPhoneの指紋認証は、スキャンした指紋データが暗号化されますが、HTCは暗号化されておらず、指紋画像が誰でも見られる状態に。
踏んだり蹴ったりのHTCですが、巻き返しのチャンスはあるんでしょうか? スマホをはじめ、どの分野も競合がひしめいていて、かなり厳しそうですが…。
Image by Pieter Beens / shuterstock
source: Bloomberg,The Independent
(高橋ミレイ)