ドローンを「音波」で墜落させる技術・・・韓国の研究機関が開発=中国メディア  | ニコニコニュース

サーチナ

 中国新聞網は7日、韓国の研究機関が先日、ジャイロスコープを音波で干渉させることで無人機(ドローン)を墜落させる技術を発表したと報じた。

 記事は、韓国の研究機関KAISTの研究スタッフが、無人機の重要部品であるジャイロスコープの共振テストを実施したところ、音波を利用してジャイロスコープを共振させることが可能であり、誤った音波情報を発することで無人機を墜落させられることを発見したと紹介。この技術のデモンストレーションを後日米ワシントンで実施することを明らかにしたと伝えた。

 そのうえで、KAISTの電子工学教授が先日発表した論文より、その詳しい原理を紹介。機体の傾斜や旋回、方向、角度などの情報を司って機体のバランスを保つためのジャイロスコープを搭載した無人機に対して、外部からの音波を利用して共振を起こし、無人機の安定飛行を妨げることが技術的に可能であるとした。

 また、実験の方法について、無人機に小さな拡声器を取り付け、ノートパソコンの無線制御によって、拡声器から共振を起こさせる音波を発したところ、それまで正常に飛行していた無人機が突然墜落したと紹介した。

 その一方、実際に無人機を攻撃する場面においては、対象の無人機に拡声器を取り付けることは不可能であり、現時点では「本当に有効な無人機対策ではない」と解説。ただ、140デシベルほどの大きな音波であれば40メートル離れた無人機を墜落させられるとのシミュレーション結果も出ており、いかにしてターゲットを定めて追跡し、音波を発するかが今後の課題になると伝えた。このほか、無人機の速度が高すぎると、ジャイロスコープを共振させられないという問題もあるとした。

 記事はまた、韓国では今回発表された技術以外にも無人機対策技術が開発されており、今年の春には小型無人機を使って潜在的な脅威を持つクワッドローター無人機を攻撃、阻止する技術が展示されたと併せて伝えた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)