8/17付オリコン週間“本”ランキングの総合部門にあたるBOOK部門で、又吉直樹(ピース)の『火花』とともに『第153回芥川賞』受賞作となった羽田圭介氏の『スクラップ・アンド・ビルド』が週間1.9万部を売り上げ、9位を獲得した。
羽田氏にとって初の同ランキングTOP10入り作品となった同作。高齢者介護をテーマとしながら、本当に伝えたいのは「異なる世代が互いに抱く憎しみや無理解」だという作品への高い評価とともに、受賞後に出演したバラエティー番組などで見せた独特なキャラクターも注目を集めており、今後さらに部数を積み上げていきそうだ。
一方、『火花』は8/10付の24.2万部を上回り、同作最高となる週間売上27.1万部を記録。7/27付から4週連続で同部門1位の座をキープした。同部門における通算1位獲得数は9回にのぼり、累積売上部数は133.3万部を記録。同ランキング登場の文芸・小説作品では、前人未到の実売売上200万部突破に向けて突き進んでいる。
そのほかBOOK部門では『火花』『スクラップ・アンド・ビルド』の全文と、又吉と羽田氏のロングインタビューなどが掲載され、現時点の累積発行部数が100万部を突破した第153回芥川賞発表号『月刊文藝春秋9月特別号』に、同誌の昭和2年9月号『芥川龍之介追悼號』の復刻版を特別付録にした『月刊文藝春秋9月号特装版』(※ムック扱い)が、週間売上2.2万部で4位にランクイン。受賞2作品への世間の関心の高まりをうかがわせた。