中国では昔から妊婦の窃盗団の存在が確認されているが、最近、新たな妊婦窃盗団が逮捕され、その手口などが明らかになった。市民の妊婦に対する警戒心の緩みを利用しているという。
中国メディア銭江晩報などによると、この窃盗団が逮捕されたのは浙江省嘉興市。今年5〜6月、同市にあるファッションビル内のブティックからたて続けに「接客中に置いてあったスマホを盗まれた」といった被害報告が入り、警察がパトロールを強化してすぐの出来事だった。被害者から伝え聞いた犯人の“手口”はどれも似通っており、まず2〜3人の妊婦が店に入ってきて服などの商品を物色。店員が接客を始めると、行動を別にしている仲間がスキを見計らって、テーブルやレジ脇などに置かれたスマホなどを盗むというものだ。窃盗が成功すると、妊婦たちは何事もなかったように、何も買わず店を後にするという。
こうした通報を受け、警察は監視カメラの映像を確認。すると7月5日午後、蘇州ナンバーの1台の黒い乗用車から5人の女性が降りる現場が映し出され、すぐに追跡を開始した。
5人の女性はファッションビルに入ると別々に行動。中でも“最もお腹の大きい”妊婦が各ブティックを回り、店のテーブルにスマホや財布がないか、店員が1人であるかどうかなどを確認していたという。
そして、それらの条件を満たす店を発見すると、ほかの妊婦に連絡。チームで犯行に及んでいた。逮捕された5人の女のうち、3人は貴州人、1人は四川人、1人は湖南人で、それぞれ妊娠2か月〜7か月だった。
なお、中国の繁華街などでは、妊婦の集団が被害者を囲むように近づいてきて、知らないうちに財布やスマホを盗まれる事件も多数報告されている。この場合も相手が女性かつ妊婦ということで、被害者は警戒を怠っており、後になってバッグの金品などが盗まれていることに気付くようだ。