中国人民銀行が人民元の事実上の切り下げを行ったことについて、中国メディアの新浪財経は13日、英メディアの報道を引用し、各銀行の分析を総合して判断すれば「人民元の小幅な下落は株式市場に対する影響は限定的」と論じた。
記事は、シティバンクが、人民元は今後12カ月で対ドルで4.2%下落すると予想していることを紹介し、人民元の下落は株式市場にとっては「諸刃の剣」だと分析したことを紹介。資本市場の改革や輸出の改善にはプラスに作用する一方で、資本の流出や為替差損につながると指摘した。
続けて、英国の金融機関であるHSBCの分析として「人民元が対ドルで2%下落した程度ならば株価への影響は小さい」としながらも、多額の債務をドル建てで抱えている企業にとっては「大きな負担につながる」と指摘した。
続けて、スイスに本拠を置く金融機関UBSが「今後数カ月において、人民元の動きが株式市場における焦点となる」と指摘し、人民元が10%以上下落すれば香港証券取引所に上場している中国企業のうち、外国人投資家も取引ができるH株は20%以上下落する恐れがあると伝えた。
また記事は、クレディ・スイスが「中国は国際通貨基金(IMF)の国際準備資産SDR(特別引出権)の構成通貨に人民元を加えたいと考えている」としつつも、人民元を国際準備資産SDR(特別引出権)の構成通貨にするには「為替制度のさらなる改革よりもレート維持のほうが望ましい」との見方を伝えたことを紹介した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)