“芸能界のご意見番”を気取る和田アキ子が、「週刊文春」(文藝春秋)の「女が嫌いな女2015」に続いて、「週刊女性」(主婦と生活社)の「嫌いな女性有名人ランキング」のアンケート調査で、ダントツ1位に選ばれた。
嫌われる理由の大半が、彼女が自身の番組で繰り広げる、空気が読めない傲岸不遜な言動だという。
最近では、和田の唯一のテレビレギュラー番組である『アッコにおまかせ!』(TBS系)の7月5日放送では、第一子の出産を発表した歌手の宇多田ヒカルに対して、「妊娠したとも言わなかったのに、どうして産んでから……。やっぱり、新曲のあれかね? プロモーション」と素直に祝福できない発言をして、視聴者から反感を買ったのは記憶に新しい。
これは、売れない歌手のねたみそねみに取られても仕方がない。節操のない新曲プロモーションを展開するのは、和田も同じ。しかし、宇多田のようにはCDが売れない。6月に発売された新曲「晴レルヤ」(ユニオン)のプロモーションでは、所属事務所ホリプロの力と自身の立場をフル活用して、ドラマ主題歌のタイアップを取り、テレビ番組に出まくったものの、オリコンチャート50位内にもランクされない。そもそも、ここ10年近くヒット曲がない。その焦りが、宇多田に対する歪んだ発言につながったのか。
7月19日の『アッコのおまかせ!』では、芥川賞を受賞したピース・又吉直樹の『火花』(文藝春秋)を「みなさん、よく、純文学のにおいがするとか文章に純文学を感じたと言うが、何も感じなかった」と発言して、ネット上で「何様のつもりだ」と批判を浴びたというが、ふだん文学作品などまともに読まない和田に、純文学について語ってほしくないと思うのは当然だ。しかし、なぜ、和田は偉そうな勘違い発言を繰り返すのか?
それは、所属のホリプロとテレビ局、そして周囲の芸能人がヨイショし、つけ上がるからにほかならない。また、和田自身も不器用に見えて、実際には世渡り上手で計算高い。
ニッポン放送のレギュラー番組『ゴッドアフタヌーン アッコのいいかげんに1000回』では、“芸能界のドン”と呼ばれるバーニングプロダクションの周防郁雄社長や、業界の重鎮であるイザワオフィスの井澤健社長の名前をしばしば出しては、自身と親しい関係であることを吹聴する。放送を聞いたタレントや芸能関係者、テレビ局、それに芸能マスコミは、それを聞いただけで萎縮してしまう。
その一方で、ビートたけしや明石家さんまと親友だと公言する。以前は「たけし」「さんま」と呼び捨てにしていたのだが、2人が芸能界でのポジションが和田より上になるや、「たけちゃん」「さんまちゃん」と呼び方が変わっていた。この変わり身の早さには驚かされた。
一時は売れたタレントだから、事務所やテレビ局がチヤホヤするために勘違いするのは仕方ない。しかし、和田は“芸能界のご意見番”を気取って、門外漢の話題にまで意見したり、的外れな批判をするからタチが悪い。
この際、周囲が視聴者から“嫌われている”という事実を打ち明けて、和田に軽率な発言をさせないこと、謙虚にさせるべきだ。
それと、どんなプロモーションをしても曲がヒットしないことを自覚させて、そろそろNHK『紅白歌合戦』を卒業させるべきだ。それが、これ以上、世間から嫌われないための、彼女への優しさだ。和田に引導を渡す勇気ある関係者が出現することを期待したい。
(文=本多圭)