政府は12日、2020年東京五輪・パラリンピックでメーン会場となる新国立競技場の整備計画見直しをめぐり、基本方針の概要を固めた。五輪後の施設管理・運営を民間事業者に委託し、コスト抑制のため開閉式屋根の設置を見送ることなどが盛り込まれる。政府は14日の関係閣僚会議で基本方針を決定し、9月上旬にも新計画を策定する。

 白紙撤回された旧計画では事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が五輪後も管理・運営を担うことになっていた。しかし、見通しの甘さから総工費の増大を招いたJSCに効率的な施設運営は期待できないため、五輪後は民間に委託し、維持費節減や収益確保を目指す。施設整備自体は国が行う方針。

 また、コンサート開催などさまざまな機能を求めたことで総工費が膨れ上がった反省を踏まえ、施設は原則としてスポーツでの使用に特化。サッカー、ラグビー、陸上競技の国際基準を満たす施設とする。屋根は観客席の上部のみにし、コストが掛かる開閉式屋根は設けない。一方で、災害時に活用できるよう防災施設としての機能は持たせる。