インターネット上で使われる用語に「ウリジナル」「韓国起源説」というものがあります。どちらも、韓国人がさまざまなものを「韓国が発祥だ」と主張することを揶揄した言葉です。
その対象は中国文化、メソポタミア文明、インカ文明、西洋文明などの文化をはじめ、高名な歴史上の人物に至るまで多岐にわたっています。韓国の歴史教科書では、「朝鮮半島の歴史は中国の歴史よりも長く、世界最古のひとつ」との記述があり、民族主義を扇動しているとも受け取れます。
特に日本のものを最も多く「韓国起源」と主張しています。最近では、日本固有の桜であるソメイヨシノを韓国起源であると主張し、各方面で批判を受けています。ネット上で一部の人がそのような言説を唱えているだけなら、取り立てて問題視する必要もないのですが、韓国山林庁の研究機関がDNAを分析した結果、済州島などに自生する王桜がソメイヨシノの起源であると断定しているのです。
また、韓国最大の剣道団体である「大韓剣道會」では、公式ホームページなどで剣道の起源は韓国にあると主張しています。相撲についても、中央日報が相撲の本流は韓国のシルムであると紹介しました。
ほかにも、日本酒、海苔、寿司、蕎麦といった食文化、茶道や空手、歌舞伎などの伝統文化も韓国から日本に伝えられたものだと主張しているのです。しかもこれらは大手新聞や大学教授といった権威ある立場から発せられているので、多くの国民もそのまま信じ込んでいます。
●「日本には韓国が文化を与えた」と教育
その根底には、「野蛮で未開の民族だった日本に文化を与えたのは韓国人」という考えがあるのです。ほとんどの韓国人は、本気でこれを信じています。
例えば、高校の教科書を開くと、「朝鮮半島の先進文化を未開な日本に教えた」との表現が出てきます。それだけではありません。「優秀な朝鮮民族と劣等な日本民族」「近代化以前の日本の文化は、すべて偉大な先進文化を持つ朝鮮半島から由来した」とあります。
つまり、「そもそも何もなかった日本に、朝鮮民族があらゆる文化を与えた」と、学校で教えているのです。一部の歴史書には、「百済人が日本を建国した」との記述もあります。「このような主張をする人もいる」というレベルではなく、さも史実であるかのような表現がなされています。
韓国の主張や書物では、百済、新羅、高句麗、高麗、朝鮮と移りゆく中で、文化は常に朝鮮半島から日本への一方通行であったかのような表現が多く見受けられますが、果たして国家交流において一方通行ということがあり得るのでしょうか。
また、豊臣秀吉の二度の朝鮮出兵「文禄・慶長の役」と日韓併合時代の日本帝国軍によって、朝鮮半島の文化・文化財はことごとく略奪されたため、現在、韓国に存在せず日本に存在する文化も多数あるとの考え方も広まっています。それが根拠不明な韓国起源説も疑われずに受け入れられる土壌となっているのです。
韓国人は、日本の文化や伝統が賞賛されるたびにコンプレックスを感じているのです。6月29日付当サイト記事『韓国国民のトンデモ思想「日本は序列が下」 無理な条件への“屈服”を要求し続ける異常さ』にて言及しましたが、韓国は日本を下に見ています。その日本が韓国よりも賞賛されるのは、受け入れがたいことなのです。
その結果、コンプレックスの裏返しとして、「賞賛されている日本の文化は、実は韓国人が与えてやったものだ」と主張することで、自身のプライドを保っているというのが実情なのです。
(文=林秀英/ジャーナリスト)