宇宙のサウンドスケープが音楽になりました。
星の瞬きは、地球から見た時に大気の揺れでそう見えると、小学校で教わったかもしれません。でも、実際に星が膨張・収縮したり動いているから見える瞬きもあります。
ペルセウス座β星は食変光星と呼ばれる種類の星で、共通の重心の周りを2つの星がグルグルと回っています。地球から見た時に星が重なるタイミングで互いの光を隠し合うので、光が膨張したり収縮したりしているように見えるんです。その際にかすかな震動を発します。
「星の声を聴く」なんて言うと、いかにも詩的な感じがしますが、星震学という学術分野では探査機などから星の震動を観測します。星が発する周波数スペクトルを観測すると、星の内部で起きていることが分かるからです。
トルコの天文学者Burak Ulaşさんは、ペルセウス座β星の震動から生成した音楽をSoundClaudに公開しました。これまでも周波数スペクトルを音に変換したものはネット上で公開されてきましたが、より音楽に近い形で公開したのは今回が初めてです。
まず、受信した周波スペクトル(Y Cam)から音楽編集ソフト「Audacity」を使って和音を生成します。その和音をピアノ曲の基礎として、Ulaşさんはピアノのパートを作曲します。最終的には、「Gold Wave」というソフトで星の和音とピアノを合わせて完成させました。
楽譜の上の2段は完成したピアノのパートで、一番下が和音に変換された星の脈動Y Camのパートです。将来的にBurak Ulaşさんは、オーケストラでの演奏ができるサウンドスケープを星の振動から作ろうと考えているようです。
source: MIT Technology Review,arXiv
(高橋ミレイ)