日本の世論は「平和主義」が主流・・・「右寄り」ばかりに注目するな!=中国メディア | ニコニコニュース

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 中国国営メディア・中国新聞社は12日、日本の歴史認識問題を論じるうえで、一部の右翼政治家に意識を集中させるのではなく、日本の民間では依然として平和主義が主流の考え方になっていることを認識すべきだとする香港・明報の12日付報道を伝えた。

 記事は、戦後70年が経過した日本による戦争の歴史への認識について、「多角的な視点から理解し、観察する必要がある」と解説。過去10年の資料を見る限り、日本の民間では総じて「日中戦争は侵略戦争である」と認めているとし、2006年に日本メディアが実施した調査では「日中戦争と太平洋戦争は侵略戦争である」、「日中戦争のみが侵略戦争である」との回答がそれぞれ34%を占めたこと、今年7月の調査でも「先の戦争は侵略戦争だった」との回答が49%で、「自衛戦争だった」の9%を大きく引き離したことを紹介した。

 その一方、多くの学者が指摘しているとおり、戦後「半独立」の状態が続いてる日本の社会全体が1990年以降、戦後の陰影から脱却し、政治的な意志の独立を実現することを渇望してきたと主張。その証左として、01年から05年に日本の大手新聞社が実施した世論調査で、首相の靖国神社参拝に反対する声が参拝支持の声をいずれも上回った一方で、「外国政府による靖国問題の抗議を支持するか」との質問になると「外国の圧力によって参拝を取りやめるべきでない」との認識が多くなったことを紹介。「これは、独立した意志を他国から尊重してもらうことを渇望している心理を表すもので、必ずしも侵略の歴史を否定することとは関係があるわけではない」と論じた。

 記事はまた、日本国内では右派の保守的な歴史認識に対して批判的な立場を取る知識人も立ち上がっているとし、「米国が日本人の欧米崇拝意識を巧みに利用して、日本を反共の防御線にした」の見地から、「今の日本に必要なのは、安倍式の戦後体制脱却ではなく、『米国従属体制』に別れを告げる民主革命だ」と論じる専門家がいることを紹介した。

 さらに、民間レベルでは最近安保法案に対する反対の声が強まっていることを挙げ、「日本の平和主義の根底が、先の大戦に対する反省と原子爆弾を落とされた痛ましい記憶から成り立っていることが分かる」と評論。日本の市民はもはや戦前のように黙っていたりはせず、政府による軍事政策の動向に対して強く警戒しているのだとした。

 記事は最後に「国内外の中国人コミュニティは、日本の歴史認識の多源性を認識し、日本国内のリベラリストとの交流を強化する必要がある。日本を1つの側面から見ないようにし、未来の日中和解に向けた知恵を練るのだ」と締めくくった。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)