70年談話を「歓迎」=識者は日韓関係注視―米政府 | ニコニコニュース

 【ワシントン時事】米ホワイトハウスは14日、安倍晋三首相が発表した戦後70年の談話について「過去の談話を引き継ぐ約束だけでなく、第2次世界大戦中にもたらした苦難に対する痛切な反省も表明しており、歓迎する」との国家安全保障会議(NSC)報道官名の声明を発表した。

 声明は、談話に「積極的平和主義」を推進する方針が明記された点に関しても「評価する」と表明。「日本は70年間、平和、民主主義、法の支配への不変の献身を行動で示してきた。この実績は世界中の国々の模範になる」と強調した。

 米政府は日本と近隣諸国の関係改善が「米国の国益にかなう」との立場だ。特に、ともに米国の同盟国である日韓の和解を、アジアに外交・安全保障の重心を移す「リバランス(再均衡)政策」のカギとして重視。表向き「談話でどのような言葉を使うかは日本の判断」としながらも、「痛切な反省」「心からのおわび」などのキーワードの明記に期待をにじませてきた経緯がある。

 外交問題評議会のシーラ・スミス上級研究員は「国内外の識者が求めてきた言葉が盛り込まれた」と指摘。「歴史家は難癖をつけるかもしれないが、日本と近隣諸国の外交の観点から言えば、全体としては前向きな声明だと思う」と評価した。

 ただ、識者の間には、日中・日韓関係の改善につながるとは言い切れないとの見方もある。カーネギー国際平和財団のジェームス・ショフ上級研究員は「中国、韓国ともある程度満足できる部分はある」としつつ、「植民地支配が韓国に与えた影響に触れた部分がほとんどなく、韓国からは機会を逸したと見られるかもしれない」と分析した。