つぎのゴールドラッシュは宇宙や(願望)!
スマホや電池の構成要素で「rare Earth metals.(レア・アース)」という表示を見かけることがありますよね。この呼び名の由来は文字通り「地球ではレア (貴重)」というところから来ているんです。つまり絶滅の危機にある貴重な金属ってわけですね。でも、宇宙では決してレアではないんです。今ではそれが掘り起こせるような惑星を見つけるべく、宇宙船を飛ばして探索する企業まであるほど。
先日、国際スペース・ステーションから、「アーキッド3」という宇宙船が、90日の予定で地球低軌道に飛ばされました。ソフトウェアとコントロール・システムのテストをするためです。これがうまくいくと、12月に次の「アーキッド6」(写真)が中波赤外線センサーのテストを行なうために飛ばされる予定です。このセンサーが惑星の表面から金属を検出するため必要になります。
今回アーキッドが飛ばされる目的は、ネオジムやイットリウムといったおなじみのレア・アースだけを探しに行くことではありません。その他の貴重な金属、さらに水も探しにいきます。水は、仮に見つかれば、長旅を行なう宇宙船が生きのびていくうえでかなり貴重なものとなりえるからです。
またアーキッド3は、ラリー・ペイジやイギリスの実業家リチャード・ブランソンなどが出資者に名を連ねる宇宙事業の民間エージェンシー「プラネタリー・リソーシズ社」が開発した資源探索船としても有名です。同時に、これは小惑星での金属採掘事業を実現化させるための挑戦でもあるのです。昨年11月にロゼッタ探査機が打ち上げた無人着陸船フィラエが彗星着陸を行ないましたが、あれが惑星採掘事業のコンセプトのはじまりです。リモコンによる無人機を使ってそれが可能であることが証明されたからです。
プラネタリー・リソーシズ社のピーター・ダイアモンド氏は「アーキッド3の順調な成長は我が社にとって、金属の豊かな惑星で採掘事業を実現させるための記念すべき第一歩です。もし、惑星外で経済活動ができるようになれば人類の生き方そのものさえも変えてしまうことになりますが、それを実現させるべく、私たちは技術を進化させているところです」と語っています。
惑星から掘り起こしてくることだけが、地球上で乏しくなりつつある金属を補う方法ではありませんが、こうした試みは新たなスペース・エイジの幕開けともなり得るものです。
人間が地球外で生活するのに大きな足かせとなっている理由に金銭の問題が今も昔もあります。もし、惑星での採掘事業が成功すれば、宇宙産業はその資金が得られます。そうなれば、惑星ケレスが新しいゴールドラッシュの名所としてもてはやされることにもなっているかもしれませんよ。
source: Planetary Resources
Annalee Newitz - Gizmodo US[原文]
(沢田太陽)