中国・天津爆発事故にテロ説急浮上! 極度の情報統制下で、地元テレビ局は韓流ドラマ垂れ流し | ニコニコニュース

テロの疑いもある今回の爆発事故。死者は1,300人を超えるといううわさだ
日刊サイゾー

 天津で発生した爆発事故の死者の数は、当局の公式発表によると、8月16日0時時点で112名。しかし、中国人でもこの数字を信じている者は少ない。

 政府の情報統制のせいか、ネット上では、消防隊員の活躍ぶりや殉職者を伝える情報が多く、彼らを称賛する声であふれている。原因解明が遅々として進まない中、殉職者の顔写真と名前は早々に公表されているが、こうした目先の情報にごまかされるな、という冷静な意見も見られるようになってきている。重大事故が起こった際のお決まりだが、当局やメディアから発信される情報の少なさに、市民はいら立ちを見せているのだ。

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 地元のテレビ局、天津衛視は事故直後、特別番組に切り替えてしかるべきなのに、発生から10時間が経過しても韓流ドラマを放映し続けたことで、批判に晒されている。中国では、テレビというメディアが報道機関として機能していないことをあらためて浮き彫りにした形だ。

 救急隊員が実名で公表される一方で、被害者や遺族が報道されることはない。彼らから語られるであろう、政府批判を恐れているからだ。ところが今回は、それだけが理由ではない。テロの可能性を否定できないからだ。政府はいつも以上に、メディアの情報発信に過敏になっている。「鄭州晩報」は、デマを流したという理由で、WeChatの公式アカウントの使用を1週間停止されることになった。これを含め、当局発表と異なる情報を流した50のサイトをアクセス禁止に。うち18のサイトは永久閉鎖とされている。中国版LINE「微信(WeChat)」では、死者は1,300名超との情報も拡散されたが、当局はこれをデマとして、投稿主とされる人物を検挙している。

 しかし、今回の事故をテロだと信じている市民は少なくない。政府が情報を規制すればするほど、その疑念は深まるという皮肉を生んでいる。それに、政府の情報規制も国外までは及ばない。北米の華字メディア「世界新聞網」は、消息筋の話としてこう伝えている。
「北京や天津の危険物倉庫は、来月(9月3日)の(戦勝)パレードに向けて、新疆のテロリストたちがずっと狙っていた。彼らによって引き起こされた可能性が極めて高い」

 天津市は温家宝前首相の地元であり、事故のあった浜海新区は、前政権で急遽開発が進められた。そのためか、危険物倉庫が居住区の近くにあり、それが被害を拡大させている。

 香港の「東方日報」も、式典を前に、テロリストたちが天津、河北省などの北京周辺に続々と流入していると伝えている。9月3日の「抗日戦勝70周年記念日」を前に、第2の爆発事故が発生することも否定できない。
(文=中山介石)