最後のリリースから2年,Bugzilaがバージョン5.0に到達した。コメントにタグを追加する機能,新しいグループメンバシップのチェック機構,WebサービスAPIの改良など,数多くの新機能や改善が加えられている。
WebサービスAPI: Bugzilla 5.0では,REST風エンドポイントが新たに追加されて,クライアントが標準的なHTTPコールを使用可能になった。既存のXML-RPCおよびJSON-RPCエンドポイントは非推奨となり,Bugzilla 7.0で廃止が予定されている。REST風インターフェースの最大のメリットは,APIキーがサポートされることだ。これにより,クライアントがクッキーやユーザ認証を使用する必要はなくなる。
バグコメントタグ : バグコメントのフィルタにタグが使えるようになった。会話をタグでスレッド化したり,特定のコメントを重要,あるいはスパムとしてマークするなどの操作が可能になる。
メンバーシップチェック: バグを閲覧可能な人を決めるために,これまでより柔軟なポリシが新たに設けられた。従来は,ユーザに対して,そのバグが存在するすべてのグループに所属していることが求められていたが,5.0でデフォルトとなった新たなセッティングでは,バグの存在するグループのいずれかに所属していればよくなった。ただし,この新しいポリシは以前より緩やかであるため,不適切な人に誤ってバグが公開される可能性がある。
キャッシュの改良: Bugzillaは,Memcached サーバを接続することができる。これによってデータベースクエリ数を削減し,パフォーマンスが改善される。
変更内容の完全なリストはリリースノートに掲載されている。
BugzillaはもともとMozillaによって開発された後,1998年にオープンソースになったもので,かつてはエラー追跡ツールの標準的な存在だった。現在でも多くの企業や多くのプロジェクトで使用されているが,JiraやGitHubなど近年のクラウドベースのバグ追跡ツールと比較すると,魅力的な存在であるとは言い難い状態だった。クラウドベースのイシュートラッカと比較した場合のBugzillaの欠点は,インストールや設定作業が複雑である,旧式のUI,カスタマイズ上の制限,商用サポートの欠如,といった部分だ。一方でBugzillaには,大規模なデータベースでもパフォーマンスがよい,イシューやユーザに関する豊富なグループ機能,高度な検索機能といったメリットもある。