東京五輪、どんなに暑くても「真夏」縛り 秋にできない大人の事情 | ニコニコニュース

サッカー日本代表のオーストラリア・セスノックでの練習。暑い中での練習を終え、上着を脱いで引き揚げるFW本田選手=2015年1月3日
withnews(ウィズニュース)

 猛暑と蒸し暑さが続く今年の夏。2020年の東京五輪も、同じ時期に開かれる予定です。何でわざわざこんな時期に? 運営側では「遮熱性舗装」など最新技術を駆使した暑さ対策に余念がありません。

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特殊な塗料で熱下げる
 マラソンは、五輪の花形競技ですが、最も暑さの影響を受けやすいスポーツの一つです。2014年9月にケニアのデニス・キメット選手が出した世界新記録は2時間2分57秒。少なくとも2時間は炎天下で走り続ける必要があります。

 そんな中、対策として上がっているのが「遮熱性舗装」です。「遮熱性舗装」は、普通のアスファルトの路面に特殊な塗料を塗ったもので、路面が熱を吸収して熱くなるのを防ぎます。

 5月に発足した国土交通省、環境省、総務省消防庁、東京都、大会組織委員会などでつくる暑さ対策の連絡会議で、提案されました。


サッカーは午後5時以降
 試合時間を遅らせる案も出ています。サッカーは全試合を午後5時以降に開催する予定です。それでも、リオデジャネイロ五輪で復活するゴルフなどは試合時間が長く、1日6~7時間は炎天下でプレーすることになりそうです。日本ゴルフ協会は「プレー中の日傘の使用を呼びかける」と暑さ対策を挙げています。

大会6回分で「7780億円」
 東京五輪の開会日にちなんで生まれた「体育の日」は10月ですが、2020年大会についてIOCは、7月15日~8月31日の期間内におさまるよう求めています。

 なぜ秋にできないか。その理由は巨額なテレビ放映権料です。アメリカのNBCユニバーサルは、22年冬季から32年夏季までの6回の五輪の米国向け放送権を76億5千万ドル(約7780億円)で獲得しています。

 秋は欧州ならサッカー、米国は大リーグが佳境を迎え、アメリカンフットボールのNFLとも競合します。他のスポーツとテレビの放映枠を争うようなことがあれば、テレビ放映権料に影響がでかねません。

 IOCは収入の9割を各国・オリンピック委員会や各競技の国際連盟などに還元しています。IOCの方針に対して、巨額の補助金を受け取る側からは反対しづらいのが現実なのです。

 2020年五輪には中東カタールの首都ドーハが10月開催で立候補しましたが、1次選考で落選しました。

 「テレビ放送時間を確保しづらい」

 IOCはその理由を正直に説明しています。