ヒラリー・クリントンの自作メールサーバーに政府の機密情報が保存されていた可能性あり

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「ヒラリー・クリントン氏、プライベートサーバーで公務メール送ってた事件」はまだ終わっていない。

自作のサーバーから仕事のメールを送信していた大統領候補のヒラリー・クリントン。AP通信によると、ヒラリー氏が政府機関に提出した30,000通のメールの中からランダムに抽出した40通のうち、2通に機密情報が含まれていたことを情報機関が確認したとのことです。40通のうち2通、この数字をどう思いますか?

2通の大失敗は、必ずしもヒラリー氏のキャリア終了のお知らせになるとは言えません。事実、見つかった2通のメール内容はそれほどびっくりするようなものではありませんでした。ひとつはパキスタンでのドローン攻撃について報道した記事に関して議論したもので、もうひとつはより直接的に機密情報に言及した内容だったようですが、独自に収集された情報が含まれている可能性があると関係者はAP通信に語っています。また、上院議員のチャック・グラスリー氏はヒラリー氏のサーバーから4つの高機密情報を見つけたと主張していますが…。

いったん、もとの通数に戻りましょう。40通のうちの2通ということは5%に機密情報が含まれていたということ。ということは、ヒラリー氏が提出した30,000通の5%にも同じくトップシークレットが含まれている可能性が出てきました。では、このことがアメリカという国を危機に追いやるのでしょうか?

答えは、もちろんノーです。しかし、ヒラリー氏は危機に追いやられるでしょう。ヒラリー氏が国務長官という重要な立場でありながら、セキュリティーがなっているかも疑わしい個人用メールサーバーを使い、業務メールの記録を残していなかったことは、オバマ大統領が掲げた政府の透明性確保の公約にも反することになります。引き続き、国が認めた17の諜報機関と議会は、ヒラリー氏が公約に反して公的なメールアドレスを使わなかったことで、どの類いの情報が漏れたのか漏れていないのかじっくりと調べるようです。

また、ヒラリー氏の「だって携帯は1台だけにしたかったんだもん」って台詞によって、さらにどれだけ炎上したんでしょうかね? (それにしてもひどい言い訳だ…。)いずれにせよ、あと数週間もしくは数ヶ月でヒラリー氏がどれだけのことをしてしまったのかがわかります。特に、司法省が個人用サーバーの調査に乗り出すようですからね。ヒラリー氏も負けじと敏腕アドバイザーに助けを求めるでしょうが…。さあどっちが速いか、ホワイトハウスでレースが始まりました。


image by JStone / Shutterstock.com
source: AP

Adam Clark Estes - Gizmodo US[原文
(SHIORI)

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