政府が最近発表した2015年度版「少子化社会対策白書」では、第1子を出産する平均年齢が、13年時点で30.4歳と前年より0.1歳上昇し、晩産化がさらに進んでいることを裏付ける結果になりました。晩婚化も進んでおり、女性の平均初婚年齢は、13年で29.3歳だったそうです。25歳のクリスマスケーキになぞらえられていたのも、今は昔。
この白書を受け、内閣府が14年度、20~39歳の男女を対象にした意識調査によると、未婚の男女に恋人が欲しいかどうか質問した結果は、「欲しい」が60.8%、「欲しくない」は37.6%。「欲しくない」と回答した人のうち、女性は39.1%、男性は36.2%でした。
ただ、非常に個人差があるので、一概に括れない問題ではあります。婚活サイト「エキサイト恋愛結婚」の婚活相談室に寄せられた、「子供はあまり欲しくない私を理解してもらえるか……」というご相談が気になりました。ご相談者さんは20歳代の女性。「子供の頃、あまり良い思い出がないので、決して子供嫌いというわけではないけれど、結婚しても子供を欲しいと思えない。男性会員は子供を欲しい人が多いと思うけれど、こんな私を理解してもらえるだろうか」という内容です。
なるべく先入観で思い込まないほうがいいのではないでしょうか? もちろん、そんなことを言ったら、子供を産みたくても産めない女性に失礼だから……なんて、長男出産映像を公開した森三中の大島さんへのバッシングみたいなことは全然思いませんよ。自分の気持ちをそうさせている過去の何かが、手離せないほどのトラウマなのかどうか、私にはわかりません。でも、絶対に嫌! というのでなければ可能性は閉ざないほうがいい。
素敵な男性と出会って、誰が何と言おうとこの人との子供を産みたい! という気持ちになるかもしれません。人は往々にして、自分のかつての満たされなかった思いを、後付けでまとめたくなるものではないでしょうか。子供の頃に良い思い出がないことと、子供を産むかとどうかは、はっきり言って別問題です。
もし、自分の心の奥底に仕舞い込んだ本当に望んでいることに、フタをしようとしているのだったらもったいない。時間的・精神的に余裕のある時に、自分の心をノックしてみてほしいです。自分は幸せな子供時代だったと思っていないけれど(本当にそうですか?)、事実は変えられなくても感じ方は変えられますよ。それでも、心のどこかで実は自分の子供を思いっきり愛してあげたいと思っている、というような気持ちはないというのであれば、子供をあまり欲しいと思っていない男性向けにアプローチしていけばいいと思います。
子供が欲しくなくても、もちろん結婚OKでしょう。様々な個人的な理由でそれはあり得ます。ただ、その考えが変化する可能性も自分に与えてあげてほしいと思うのです。