中国メディア・中華網は17日、中国の歴史教育は「恥」を並べるだけの教育であり、国民教育で成功を収めたのは日本の教育だったとする評論記事を掲載した。
記事はまず、日本が中国に対して日清戦争や日中戦争を仕掛けた理由が「中国の身体が不調をきたしていたこと」にあると主張。ここでいう国の「身体」とは、軍事力や科学技術力などを含む総合的な国力によって表わされるものであるとした。そして、中国は軍事面において理論と実力がかみ合わないという「欠陥」を抱えており、現在しっかり考えなければいけない問題であると指摘した。
さらに、日本が中国に戦争を仕掛けようとするもう1つの背景として、「中国国民の素養や国民教育が過去にしろ現在にしろ、日本に比べて欠けている部分があること」を挙げた。そして、戦争教育において日本が「日清戦争にしろ、第2次世界大戦にしろ、国民を洗脳し熱狂化させたことは、日本が国民教育のうえで成功を収めたと言わざるを得ない」と評した。
また、日本は「もし新たに日清戦争が起きた場合に、われわれはどうやって勝つか」といったような「啓発的な教育」を進めてきたのに対して、中国が実施している教育は「詰め込み式の記憶教育」であるとし、日中間の歴史教育には実際あまりにも大きな差が存在すると解説した。
中国の歴史教育について記事はさらに、「屈辱という点からしか扱っていない」と指摘。中国国内にある多くの記念館や博物館は「屈辱の歴史の展示場所」となっているとし、「みんなに恥を知ってほしいとは思うが、単に日本がどれほどの中国人を殺してどれほどの地を占領したかしか学べないという状況は望まない」と論じた。そして、「日本がそのような行動に出た意図は何だったのか、歴史を再び繰り返すことになるのか、われわれは深く分析しなければらならないのだ」と呼び掛けた。
記事はこのほか、9月3日に北京の天安門で行われる戦勝70周年閲兵式についても言及。中国の目標は「先進の武器装備を見せることにある」とする一方、「武器装備は単なる一側面に過ぎず、国民の素養がどうか、愛国主義教育がどのレベルかといった事柄が、その国が持つ戦争に向けた潜在力の強さを示すのだ」と評論した。
そして、この点において安倍首相が政権掌握以降「大国主義教育」と「愛国主義教育」という2つの教育を強調し続けていることを指摘。「この点においては、彼のやっていることはちっとも悪くない。第2次大戦の歴史遺産が国連に承認されない可能性があることは承知の上で、一種の愛国主義教育として、自分たちの先人がどんなことをしてきたかを国民に知らしめようとしたのだ」と論じた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)Phattarapon Pernmalai/123RF.COM)