【北京時事】中国天津市の大規模爆発で、国営中央テレビは19日までに、北京公安消防総隊幹部の話として、爆発現場の空気中から高濃度の有毒な神経ガスが検出されていたと伝えた。
同総隊では16日以降、防護服と酸素ボンベを装着した隊員らが爆心地に入り、空気中の有毒物質の濃度を測定。李興華副参謀長は「シアン化ナトリウムと神経ガスという二つの有毒物質の値が最高値に達した」と述べた。政府はシアン化合物などの汚染濃度に関しては周辺地域で異常は見られないと公表してきたが、神経ガスについては言及していなかった。
爆発現場となった倉庫には700トンのシアン化ナトリウムや800トンの硝酸アンモニウムなど、40種類以上の危険化学物質計3000トンが保管されていた。中央テレビによれば、専門家は「こうした物質が水と混ざったり、アルカリ化したりして神経ガスができるほか、爆発の過程で化学反応を起こし、有毒性のガスが生じる」と指摘した。
中央テレビでは「神経ガスを吸い込めば呼吸器系統や心臓などが突然停止し、死亡に至る可能性がある」と紹介した。
天津市政府は18日の記者会見で、爆発現場の水を測定したところ、最高で基準値の30倍近いシアン化合物が検出されたと明らかにしていた。