ビートルズが初めて結んだレコード契約書が、オークションに出品されている。2010年に他界したビートルズ専門の歴史家であった故ウーべ・ブラシケ氏の遺産管理団体によって出品されたこの書類は、9月19日にニューヨークのヘリテイジ・オークションズで競売に掛けられる予定で、15万ドル(約1,800万円)程度で落札される見込みだ。
6ページにわたるこの契約書は、ポール・マッカートニー、ジョン・レノン、ジョージ・ハリスンに加え、当時のドラムであるピート・ベストのメンバーがドイツのハンブルグでサインを交わしたもの。同地でシングル曲「マイ・ボニー」を制作したビートルズは、結局その曲でヒットを飛ばすことはなかったが、このドイツでの活動が翌年のEMIとの契約へのきっかけとなった。ビートルズ専門家のウルフ・クルーガーは「ほとんどの人がビートルズがドイツで彼らのキャリアをスタートさせたことを知りません」「ビートルズは最も長期間ハンブルグにあるトップ・テン・クラブでパフォーマンスしていました。3か月間毎日のようにパフォーマンスしていました。グループがリヴァプールで確立したスタイルをハンブルグで発展させたのです」と説明する。
さらに、ヘリテイジ・オークションの音楽アイテム部門委託販売ディレクターのディーン氏は「この契約がなかったら、すべての作品が生まれていなかったでしょう」とコメントし、この契約書の貴重さを強調する。
その他にも推定1万2000ドルとされる、1965年に「ヘルプ!」のPV撮影期間中にビートルズがサインしたスイスのレストランのメニューや、落札価格が1万ドルになるとみられている、ピートに代わってリンゴ・スターが初めて参加した1962年のレコード「ラブ・ミー・ドゥ」などがビートルズにゆかりのある品として出品中だ。