中国の軍事情報メディア・軍事区は10日、日本政府が昨年に「防衛装備移転三原則」を制定したことで動きが活発化し始めている日本の軍需工業の特徴を紹介するとともに、「生産能力では中国に及ばない」と評する記事を掲載した。
記事は、日本の軍需工業の特徴について、まず「民間用技術が先進レベルにあることから、精密加工、電子、複合材料などにおいて優れており、ある分野では世界トップレベルを誇っている」点を挙げた。その一方で、「規模が小さい。平和憲法の制限によって軍備を大々的に拡張できないことから、軍需製品を大量生産することができず、単価が高くなる」と指摘した。
また、軍需工業全体の完成度が低く、体系化されておらず、多くの分野において外国に著しく依存しているとし、その例として火器技術はドイツに、レーダーやミサイル技術は米国に、動力は米国と英国にそれぞれ頼っている点を挙げた。
さらに、単一のシステム開発レベルは高いものの、それらを大規模なシステムとして統合するスキルに欠けていると分析。「優れた技術を使ってゴミの山を築いている」状況であり、「『F2』戦闘機の『J/APG1』レーダーや、故障が頻発して信頼度が低い『H2』ロケットが典型的な例だ」とした。
このほか、日本が電子技術で世界最高レベルを誇り、ハード技術でも進んでいる一方で、ソフトウェアの開発技術が立ち遅れており、米国に相当依存していると解説。「日本の軍事体系全体は、米国の戦車上に括り付けられていることが分かる」とし、「充実した軍需工業と科学技術体系を備えた」中国とは対照的であることを強調した。
記事は、これらの分析を行ったうえで「中国は核兵器、原潜、ロケットミサイル、対ミサイルレーザー、原子力発電、戦闘機、無人機、エンジン、大型飛行機、ヘリコプター、スーパーコンピューター、次世代ネットワーク技術、3D成型技術、ステルス性を備えたミサイル艇、造船、陸軍兵器、家電などの技術で日本の軍需工業をリードしているのである」と主張。日本は半導体技術など一部の電子技術や素材技術で中国をリードしているものの「全体的な生産能力では中国に及ばないのである」と結論付けた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)