チャリの歴史、ここにあり。
人力で、安定していて、速くて、エコな乗り物である自転車っていうのは、長い歳月をかけて進化しています。どうやって始まったかを見ていきましょう。
1790年代ー始まり
初めて登場した1人乗りの2輪車は、木製のフレームに2つの車輪がついたオモチャっぽい簡単な作りのものでした。乗り手はフレームにまたがって、足で地面を蹴って車体を引きずりながら前に進むというもの。
これを発明した人は、はっきりはしていないものの、フランスの職人Médé de Sivracさんという人が最初にこのデザインをしたんではないかと言われています。
このデザインには大きな問題がありました。乗り手が両足を上げた瞬間に倒れてしまうという安定性での問題がありました。それに曲がるのが難しい。曲がるには、乗り手が前の車輪を持ち上げて引きずりながら向きを変えるというのを何度も繰り返して、やっと進めるという面倒臭い感じでした。
安定性のなさは、でこぼこの道では余計に進むのが難しいという結果に終わりました。
1820年代ー自転車の祖先
さて、発明の話に行く前にこの頃の大きな出来事を見てみましょう。1815年にインドネシアのタンボラ山が噴火しました。この噴火によって穀物がなくなってしまい、飢えを招き、たくさんの馬が死んでしまいました。
ドイツの公務員Baron Karl von Draisさんは馬の代わりになるものを探していました。それでオモチャの乗り物だったものを改善して、歴史的に有名な足蹴り自転車「ドライジーネ」を発明しました。この自転車の祖先は時速15キロまでスピードが出ました。
大変重要だった改善というのが、前輪に簡単なジョイントをつけたこと。これによって方向転換を可能にしたんですね。スピードが上がることで乗り手が楽なように背もたれもつけられました。
でもまだ乗りごごちはガタガタ。そして足を地面につけるというのはまだ変わりませんでした。
1830年代 ー最初の本物の自転車
両足を地面から離して乗れる最初の本物の自転車を発明したのは、スコットランドの鍛冶屋、Kirkpatrik Macmillanさんでした。
Macmillanさんは足の近く両側にレバーを取り付けました。レバーの片端はフレームにくっついていて、もう片端には短いレバーがくっついていて、それにはペダルがつけられていました。乗り手がペダルを振動させると、後ろの車輪に取り付けられたロッカー棒が回転するという仕組み。これは「ベロシペード」と呼ばれることになりました。
この仕組みの詳しい動きは、下の絵を見てください。リンク2(クランク)が360度回転すると、リンク4(ロッカー棒)が振動します。ベロシペードの写真をよーく見てください。真ん中に黒いもの見えますでしょうか。これハンドルまで繋がる線がくっついています。ブレーキの最初のモデルなんですね。スピードが上がるようになってきたので、足ブレーキをかけるのは危なくなってきたからです。