歴史上の中国人「金持ちランク」・・・中国メディア「1位はチンギス・ハン」と主張! なお、純粋な中国人は「不正蓄財」の人物ばかり | ニコニコニュース

サーチナ

 中国のポータルサイト「和訊網」はこのほど、「中国史上の金持ち、第1位はチンギス・ハン」と主張する記事を掲載した。2位は「フビライ・ハーン」で、3位は明代の汚職宦官として知られる「劉瑾」とした。

 米国で発表された「過去1000年における全世界の富豪ランク50」の中に、中国人が6人含まれていたという。チンギス・ハン(1162(?)-1227年)、フビライ・ハーン(1215-1294年)、劉瑾(1452-1510)の後には、清朝の汚職大臣だった和珅(1750-1799年)、清朝期の商人の伍秉鑑、中華民国期の官商の宋子文(1894-1971年)の順で並べた。

 中国人以外にとって奇異なのは、チンギス・ハンとフビライ・ハーンを「中国人」としたことだろう。

 中国は「モンゴル民族はもともと、中国の少数民族のひとつ」との立場だ。「元朝」は「中国の少数民族であるモンゴル族による王朝」であり、「清朝」は「少数民族の満族(満洲族)の王朝であり、同じく少数民族であるモンゴル民族も支配した」との主張だ。

 現在のモンゴル国については、辛亥革命期に「モンゴル北部(旧外蒙古)が分離独立」との認識だ。そのため、多くの中国人が「チンギス・ハンは中国人」と考えている。

 中国人として異論のないであろう4人についてだが、劉瑾と和珅については明らかに「あくどい手段」で蓄財したことになる。

 宋子文は“宋家三姉妹”として知られる宋慶齢・宋靄齢・宋美齢の兄弟だ(靄齢の弟で美齢の兄)。中華民国の政治家としても活躍したが、地位を利用して蓄財したとされる。

 伍秉鑑は実業家で、英国に対するアヘン戦争の賠償金の3分の1を拠出するなど「愛国的」な面もあったが、アヘン密輸で巨額の財産を得た。つまり、「歴史的大富豪」にランクインした中国人に、「現代でも認められる」手段で富を得た人物はいなかったことになる。

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◆解説◆


 モンゴル国側の歴史認識は「モンゴルと中国はもともと別の国」、「元朝期にはモンゴル民族が中国を支配、清朝期には中国の満洲族に支配された」、「その他の時期に、両国に服属関係はなかった」との認識だ。ただし中国とモンゴルは議論を避けている。

 なお「ハン」はモンゴル語で「王」、「ハーン」は「諸王の上に立つ皇帝」の意だ(古い発音ではそれぞれ「カン」、「カガン、カーン」)。チンギス・ハン自らは「ハーン」の称号を用いず、次代のオゴデイから「ハーン」と称した。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:(C)Zonjin Boldog/123RF.COM。チンギス・ハン像)