中国のほとんどの映画館ではチャージ式の会員カードを発行しており、チケットを購入したり、チケットや売店の商品などと交換できるポイントを貯められるようになっている。もちろん、カードの記録をたどれば、自分がいつ何の映画を見たかもすぐにわかるのだが、そんな“利便性”がアダとなるケースもあるようだ。先日、ある男性は妻に内緒で女性と映画館に足を運んだところ、妻にカードの記録を調べられ、離婚危機に陥ってしまった。
中国メディア華商報などによると、この出来事の舞台となったのは陝西省西安市城南のとある映画館。劉小明さんは今年4月、女性と一緒に個室式の座席で映画を鑑賞したが、それから時間を経た後、思いもしないトラブルに見舞われることになったという。きっかけは7月3日、劉さんの妻が映画館会員カードを発見したこと。妻はカードに記載されていたホットラインに連絡し、言葉巧みに劉さんの使用履歴を聞き出した。それにより、劉さんがの4月のある日夜10時ごろ、個室席で女性と映画を鑑賞していたことが明るみになってしまったのだ。
妻はその事実を劉さんに突きつけ、離婚を迫ってきたが、これに納得がいかないのが劉さん。会員カードの情報は個人情報であり、自分以外の人間がいともたやすく情報を引き出せた事実に怒り心頭で、映画館に10万元(約1,960万円)の賠償金を求める決断をしたという。
これに映画館のマネージャーは「(劉さんの妻に)履歴は伝えましたが、決して劉さんが女性と一緒に映画鑑賞したということは漏らしていない」と反論。そのため、劉さんの個人情報は漏らしていないとし、賠償金には応じない意向を示している。
劉さんの言い分が正しいのか、映画館側の言い分が正しいのかはハッキリしないが、お互いの言い分が真っ向から対立するのはよくあること。劉さんは「10万元の賠償金を支払わないならば映画館を訴える」と述べており、裁判沙汰に発展しそうな気配だという。