平成23年の患者数は95.8万人と、精神疾患のなかで最も多いといわれる「うつ病」。長時間労働やパワハラなどが引き金となり、働き盛りの男性が患うケースも増えている。しかも、実際に「うつ病」と診断されている数は氷山の一角で、「予備軍」はその何倍にも上るとか。そこで一都三県在住の30歳未婚男性社会人200人に、「うつ病かも…」と思った経験や、その際の対応を調査してみた。
〈仕事に関連して「“うつ病”になりかけているかも」と思ったことは?〉
なんと、30歳男性社会人のほぼ半数が「うつかも…」と考えたことがあるという結果に。「うつ病」の認知が高まったことも一因だろうが、2人に1人が「予備軍」の可能性を自覚したことがあるとは驚くばかり。
そこでもうひとつ気になるのは、もし「うつ病かも…」と思ったらどうするか?という点。よく「無理せず、上司や会社に相談したほうがいい」と聞くが、ためらってしまう人も多いだろう。実際、今回の調査でもこんな結果に…。
〈仕事に関連して、「うつ病になりかけているかも」と思ったら、上司にそのことを伝え、相談しますか?〉
やはり「3人に2人は相談しない」という結果に。デリケートな問題だけに、信頼できる上司でないと相談しにくいということだろうか? 「相談する」「相談しない」それぞれのビジネスマンから寄せられた意見は以下の通り。
●相談すると思う理由
●相談しないと思う理由
「相談する」派からは、「休んで早く治すため」など、相談することで解決・改善につながると期待する声が見られた。一方、「相談しない」派からは、「どうせ解決しない」という冷ややかな声が目立つ。なかには、「上司」自体が原因という指摘も…。
どんな病でも、こじらせると回復に時間がかかってしまうもの。上司や会社に相談するのは難しいケースもあるだろうが、「うつかも…」と思ったら専門医の診察を受けるなど、早めに対処したほうがいい。同僚も同じように悩んでいるかもしれないので、周囲のSOSにも気づけるよう気を配りたいものだ。
(田中 薫)
※当記事は2015年08月20日に掲載されたものであり、掲載内容はその時点の情報です。時間の経過と共に情報が変化していることもあります。