研究所リーダーは日本人の飯田史也氏。
生物が長い時間をかけて進化したことを明らかにしたダーウィンでも、ロボットまで同じ道を辿るとは予想していなかったでしょう。
ノーベル賞受賞者世界最多を誇るイギリスの名門ケンブリッジ大学と、アインシュタイン、レントゲン、ノイマンなど人類史上に残る天才たちが学んだスイスのチューリッヒ工科大学が共同である研究を行っています。先日、科学雑誌PLOS ONEに掲載されたその研究は「自らロボットを作り、さらにそれを無限に改良していくロボット」という驚くべき内容でした。
論文の内容によると、「母」となるロボットはまず、10体のテーブルの上を自走するロボットを製造。そのうちもっとも速かったロボットを残し、それを基に形やモーターの動かし方を少しだけ変えた、新たな10体を製造するのだそうです。
これを繰り返していくことで成績は改善され、ロボットのスピードはどんどん速くなるという仕組み。「母」はもちろん、設計、製造、テストまですべてを自動で行います。
自走ロボットの中身を解説した画像
これは大きな示唆を含んだ研究だと言わざるを得ません。ゆくゆくは「母」をも凌ぐ優秀なロボットを自ら生み出し、無限に進化していく可能性を示しているからです。未経験の困難に直面してもその場に応じた最適なロボットが自動的に製造され、最終的には、人間には作れないほど優秀なロボットが生まれる日が来るかもしれません。
研究のリーダー、飯田史也氏は「我々は、ダーウィンが「自然選択」と呼んだ、生物が長年かけて歩んできた進化と多様性の道のりを、ロボットを通じて再経験しているような気がします」と語っています。
これから私たちを待っているのは、人間が何も考えなくても、ロボットが素晴らしい製品を生み出し続けてくれる夢のような世界か、それとも…。
みなさまは一体どのような感想を持たれましたか。
image by PLOS ONE
source: University of Cambridge via Motherboard
Bryan Lufkin - Gizmodo SPLOID[原文]
(渡邊徹則)