鳩山由紀夫元首相の“土下座”に、韓流タレントがブーイングだ。
「日本でのビジネスがやりにくくなった」
こう話すのは、韓国の芸能マネジメント会社で働く日本人マネジャーで、来年1月に札幌で予定されるイベントに新人ポップグループを出演させる話がキャンセルになったのだという。
「ウチのグループは、メンバーが全員、日本が好きで、政治的な対立に関心もないのですが、今回のイベントが札幌市のバックアップを受けたもので、国内タレントに限ることになったと説明を受けました。スポンサー企業から市民の反発を懸念する声もあったとかで、韓流タレントを排除することになってしまったんです。主催者側と正式に契約を交わす前だったので、どうにもならないですが、鳩山さんを恨みますよ……」
国際会議出席のため韓国を訪問した鳩山元首相は、8月12日、日本の植民地時代に独立運動家が投獄されたソウルの西大門刑務所の跡地で献花後、ひざまずいて頭を下げた。会議上でも過去の植民地支配と慰安婦問題について「やめてもいいというまで謝り続けなければならない」と話し、大きな波紋を呼んだ。
韓国や中国のメディアはこれを評価して、今後の日本の外交的対応につなげる報道をしたが、日本国内の嫌韓感情が刺激されたのは言うまでもない。
札幌は“鳩山王国”される苫小牧に近いところで、鳩山元首相の言動に理解者が多いのかと思いきや「むしろその逆で敏感になっている感じ」とマネジャー。
「一時の嫌韓な気配がようやく少し収まって、地道に日本のファンを開拓してきたのに、こうやって日本人自らが火種を作って両国の対立を煽るのは、腹が立ちます」
マネジャーはこの悪影響の事実を伝えようと鳩山会館に電話したが「ちょうどお盆休みだったのか誰も出なかった」と涙。ホームページをよく見ると8月は夏休みだった。
そこで鳩山元首相のスタッフにメールでこうした被害を伝えてみたが、依頼した回答期限まで返事はなし。もっとも、国内の韓流ブームはとっくに終わった気配があり、その人気は大幅に下落傾向。韓流タレントの生写真などを売る専門ショップも続々と閉店になっており、新大久保にある韓流ショップの日本人経営者は、「あまりにも商品が売れないので、飲食店に変えようかと思っている」と話している。
その言動がさっぱり理解不能な“宇宙人”こと鳩山元首相の今回の行動はそれにダメ押しする話で、前出マネジャーは「韓国内の経済事態もとても厳しく、日本もだめとなると、稼げる場所は中国しかない」と話す。ただ、「中国ではイベントをやろうとすると、役人が割って入ってワイロを要求してきたり、問題も多い」という。
韓流タレントの輸出はもともと韓国が国を挙げて支援してきたソフト戦略だが、外交が冷え込むと急速にしおれ始めるのが大きな欠陥といえる。
(文=ハイセーヤスダ)