死刑囚からの臓器移植、中国で禁止に・・・初の「臓器提供ガイドライン」制定=中国メディア | ニコニコニュース

サーチナ

 今年1月1日より死刑囚から取り出した臓器による移植手術を禁止した中国で22日、臓器提供にかんする初めてのガイドラインが発表された。中国網が23日報じた。

 記事は、22日に広東省広州市で開かれた中国臓器入手団体連盟総会・国際臓器提供フォーラムで、同国では初めてとなる「中国臓器提供ガイドライン」が発表されたとした。ガイドラインは全部で18章からなり、臓器提供関連のルールや政策、臓器提供における倫理・道徳、法律、提供団体のほか、死亡の判定基準、臓器機能の評価などといった内容が盛り込まれていると紹介した。

 そのうえで、中国人体臓器提供・移植委員会の黄潔夫主任委員がガイドライン制定の趣旨について「市民の臓器提供に対する誤解や偏見を消し去り、臓器提供への関心や認知を高めたい」と語ったこと、中国では毎年約30万人の患者が臓器移植を待っている一方で、毎年実施される臓器移植手術は1万例あまりに過ぎないという現状を説明したことを伝えた。

 記事はまた、「今年1月1日よりわが国ではすでに死刑囚の臓器使用を停止しており、市民の自発的な提供が唯一の合法的な臓器提供源となっている」と説明。今年に入ってすでに1590例、大型臓器4414個の移植が実現しているとし、臓器提供数はアジアでトップ、人口100万人あたりの臓器提供率は2人前後となっていることを併せて紹介した。

 中国の臓器提供率は世界から見れば決して高いレベルではない。2012年においてもっとも高かったスペインは34.8人となっており、欧米諸国は軒並み10人を超える数値だ。一方、アジアでは韓国が8.4人と高く、香港は7.2人、台湾は11年の数値で5.8人となっている。一方、脳死をめぐる議論などが続いた日本では0.9人と少ない状況だ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)