昨日、スイスの時計メーカースウォッチが米アップルの基調講演でお馴染みの「One more thing」というフレーズの商標を取得したとお伝えしましたが(過去記事)、そのスウォッチ社CEOのニック・ハイエク氏がまたまたアップルを刺激するようなコメントを出しました。
ハイエク氏は、スイスの新聞社Tages-Anzeigerの取材に対し「Apple Watchは面白いおもちゃだが、革新性はない」とコメント。バッテリーが24時間も持続しないことを挙げ、Apple Watchが売りとする健康管理機能については「個人的に、自分の血圧や血糖値をクラウドやシリコンバレーのサーバーに保存されたくない」と切り捨てました。
アップルとApple Watchユーザーのために、念のためお伝えしますが、Apple Watchに血糖値を測定する機能は(まだ?)なく、ユーザーの身体データは、暗号化されてユーザーが設定するパスコードで管理されています。そのほかプライバシーに関わる設定では、ユーザーがどのデータをシェアするか細かく選択することができるようになっています。
「ユーザーは自分のデータの管理能力を失った」とまで酷評したハイエク氏ですが、その裏には同社のスマートウォッチの存在がありそうです。
スウォッチが準備を進める次世代スマートウォッチはNFCチップを搭載しており、ハイエク氏は「昨今のウェアラブル決済システムと競合することになるだろう」としています。まさに、モバイル決済機能「Apple Pay」を採用するApple Watchが格好のライバルと言えるわけです。
ヘルス機能を推すApple Watchに対して、スウォッチのスマートウォッチにそのような機能を搭載する考えはないようで、ハイエク氏は「ユーザーが心臓発作を起こす直前に、それを端末で警告する責任を私は負うことができない」としています。
ちなみに、ハイエク氏はApple Watchが発表される前から「アップルのスマートウォッチは革命を起こせないし流行らない」といったコメント出しており(過去記事)、そのぶれない姿勢から、同社のスマートウォッチへの自信が伺えます。
アップルを意識しているのかは不明ですが、商標を取得した「One more thing」の使い道についても気になるところです。