【ニューヨーク時事】世界的な株安の連鎖が止まらない。週明け24日のニューヨーク株式市場では、優良株で構成するダウ工業株30種平均は一時、前週末終値比1000ドルを超える下落となった。世界2位の経済規模を誇る中国の景気減速が世界経済に大きな変調をもたらすとの不安心理が高まっているためだ。投資家の視線は、中国当局の危機回避に向けた対応能力に注がれている。

 2008年秋のリーマン・ショックに端を発した世界金融危機以降、中国は巨額の景気対策を打ち出し、不況にあえいだ世界経済を下支えしてきた。ただ、公共事業など投資主導の中国の経済構造は供給過剰の慢性化を招き、限界に達しつつある。21日に民間調査会社が発表した8月の中国製造業の景況指数が6年半ぶりの低水準となり、市場は中国の景気悪化を現実的なリスクとして捉え始めている。

 「国家資本主義」とも称される中国経済は当局の強い統制の下、安定成長の軌道に乗っていくことが期待されていた。しかし、政府のなりふり構わない株価下支え策にもかかわらず、中国株は下げ止まらず、市場はその統制能力に疑問符を付け始めている。