【ソウル時事】韓国と北朝鮮による南北高官会談は24日も南北軍事境界線上にある板門店で行われ、25日未明まで続けられた。22日の会談開始から4日目に入った。異例の長期戦となった。緊張緩和を目指しつつも、韓国は強気の姿勢を崩していない。厳しい交渉が続く。
4日の地雷爆発事件を受け、韓国軍は、拡声器による宣伝放送を11年ぶりに再開し、現在も実施中。2011年の金正日総書記死去を受け体制を受け継いだ金正恩第1書記にとっては初めて突き付けられた拡声器の洗礼で、体制の虚構を揺るがしかねない危機感から反発は激しい。会談で中止を強く要求しているもようだ。
韓国の朴槿恵大統領は24日、会談に関し「南北高官が合意のために話し合いを続けている。政府は問題解決に向け最善の努力を傾けており、結果が出次第、国民に知らせる」と強調。ただ、挑発行為に対する北朝鮮の「確実な謝罪と再発防止」は譲らない強気の姿勢を示した。
朴大統領は、もともと妥協を嫌う原則主義者。今回の北朝鮮の行動には譲歩しない構えだ。
北朝鮮は過去、韓国に謝罪や遺憾を表明したことはあるが、責任の所在はあいまいにした表現がほとんど。朴大統領の発言は、責任が北朝鮮当局にあることを明確にするよう求めたもので、北朝鮮が受け入れるのは容易ではない。