「食料需給のミスマッチを解決する」肉や野菜の直接取引プラットフォーム「SEND」が正式オープン | TechCrunch Japan

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6月に紹介したプラネット・テーブルの食材・情報取引プラットフォーム「SEND(センド)」。これまで試験的に一部ユーザーにげんていして提供してきたこのサービスが8月25日に正式オープンした。今後は広く利用希望の生産者や飲食店を募集。承認制で順次サービスを提供していく。

SENDは特長やこだわりのある食材を持つ生産者と、そんな食材を使いたい飲食店のシェフをつなぎ、オンライン上で直接取引を行うプラットフォームだ。取引だけでなく、トラック(現在は1台。間もなく2台目を導入予定)による配送や倉庫での保管についても同社が担当する。当初は広尾や恵比寿、六本木などを中心に、客単価5000円以上で食材にこだわる飲食店をターゲットにサービスを展開する。試験運用時には約30件の生産者と約60店舗の飲食店らがサービスを利用している。取り扱うのはおもに肉と野菜。今後はラインアップを拡充する予定だが、鮮魚については扱う予定がないという。

前回の記事でも紹介したが、SENDはもともとプラネット・テーブル代表取締役の菊池紳氏が「食料需給のミスマッチを解決する」という考えのもとにスタートしていることもあり、取引される食材にも特徴があるという。

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通常であれば野菜などは色やサイズなどの規格を分けて梱包し、発送するのが一般的だが、生産者はそれをまとめてSENDに送れば、同社の倉庫(オフィス内に業務用冷蔵庫が並んでいる)にてサイズ等を振り分け、需要に合わせて最適なかたちで飲食店に配送するといった仕組みをとっている。

また生産者は自身のプロフィールや商品をSENDに登録できるだけでなく、SENDが飲食店サイドからの要望をヒアリングし、「こんな野菜が欲しい」といったリクエスト情報を知ることができる。

飲食店サイドは、あらかじめ住所等を登録しておけば、生産者が登録した食材を選択し、発注量の個数を入力するだけで商品を注文できる。「これまでは紙に数量を書いてFAXで発注していた。同じように個数を入れるだけ。シェフは『電話、FAXより楽でないと嫌』と言っていたが、SENDなら冷蔵庫の前で食材を見ながらスマホで発注できる」(菊池氏)

冒頭では「直接取引」と紹介したのだが、厳密に言うと少し違うところがある。実はSENDでは、プラットフォーム上の流通データを分析して直近の発注量などを予測しており、事前に生産者に発注を行っている。そのため、現在サービスを提供している都心エリアであれば、シェフが注文した食材を当日、もしくは翌日の指定時間に届けることが可能だという。

なおSENDはポケットコンシェルジュやCyta、Rettyなどのサービス開発経験があるStartupTechnology代表取締役社長の菊本久寿氏が“社外CTO”として開発を担当している。「 スタートアップの我々には、この難しいテーマに取り組めるエンジニアチームを雇うコストはなかった。 それであれば サービス要件定義までは我々が担当し、その先はただの外注ではなく、フェアな関係でトップクラスのエンジニアやチームに開発をお願いしようとなった。エンジニアを社内で1から教育していれば時間はかかったが、テストを含めて2カ月でサービスを提供できるまでになった」(菊池氏)

左からプラネット・テーブル代表取締役の菊池紳氏、StartupTechnology代表取締役社長の菊本久寿氏

左からプラネット・テーブル代表取締役の菊池紳氏、StartupTechnology代表取締役社長の菊本久寿氏