「一眼レフが嫉妬する」と謳う、LGの最新Androidスマートフォン「isai vivid」。
ギズモードではその一眼レフにも近いカメラ性能を試すべく、巨大なB0サイズ(1,030×1,456mm、B4の16倍もあります)の駅貼り広告写真クリエイティブ「isai vividで撮影(してみた)」に挑戦しました。
このスマートフォンでどのくらい美しくて精細でかっこいい写真が撮影できるのか? 「一眼レフにも近い」ってどのくらい信じて良いのか? そのあたりを中心にレビューしてきたいと思います。
っとその前に、isai vividのスペックについて簡単におさらいしておきましょう。
isai vividの特徴はそのビビッドで高精細なディスプレイもポイントのひとつ。
「IPS Quantum(クアンタム)ディスプレイ」は、ビビッドな色を再現できる、ということでisai vividの名前の由来にもなったそうです。コントラスト比は前モデル(isai VL)から1000:1から1500:1に強化され、輝度も400nitから25%アップの500nitになり、明るい屋外でもディスプレイは美しく見やすいまま、写真も撮りやすいですね。
ディスプレイサイズは5.5型WQHD(1,440×2,560)の大画面、CPUは6コアのSnapdragon 808、3GBメモリー、32GBストレージ、OSは現時点での最新のAndroid 5.1と、かなりの高スペックスマホですね。
バッテリーは着脱可能で、容量は3,000mAh。防水・防塵、ワンセグ、おサイフケータイ、NFC、赤外線、テザリングなどなど、日本向けの機能もあまねく搭載しています。また「isaiシークレット」は選んだ項目だけが隠れる機能も。アドレス帳や電話の着信通知、LINEのメッセージ通知、ギャラリー画像、文字入力の予想候補などをシークレットにすることが可能です。
手に馴染むラウンドデザイン。持ちやすいですね。
肝心のカメラ機能のスペックは、メインカメラが約1600万画素(サブカメラは約240万画素)で、スマートフォンのカメラとしては最も明るいF1.8のレンズを搭載。センサーが1/2.6サイズで、スマートフォンとしてはかなり大きめ。光学手ぶれ補正も備えます。赤外線で被写体との距離を測定し、素早いオートフォーカスを実現するレーザーオートフォーカスも搭載されています。
そしてisai vividのカメラ機能にはデフォルトで本格的なマニュアルモードが備わっています。ホワイトバランス、マニュアルフォーカス、露出、シャッター速度、AEロックが設定できますよ。
isai vividらしい写真を撮るなら、夜でも明るく綺麗に撮れるかどうかを伝えたいし、シャッター速度までコントロールできるなら、スローシャッターで面白い写真を撮ってみようではないか。
そんなギズモード編集部が繰り出したのは、渋谷スクランブル交差点。
外国人観光客にも人気の撮影スポット、夜でも輝くように明るい看板の数々、そして行き交うダイナミックな人の流れは、東京らしいビビッドな写真を表現できるんじゃないかと思ったの。
ライター兼カメラマン、まゆみん。構図と設定を決めたら、巨匠のようにシャッターを押すだけのお仕事。
編集部、まつばん。まゆみんがOKというまで光の棒を振り回す、体を張る担当。
(ISO200、左上の写真から、8秒/2秒/8秒/8秒/4秒/2秒、F1.8、NDフィルター使用、現像・加工なし、クリックして拡大)
頑張って「vivid」って書いてみたり(この写真だけで10テイクくらいしている)、OneMe Store提供のもと、ライトペインティングをハイクオリティに実現できる「Pixelstick」を使って虹色を表現してみたりしました。
シャッタースピードをかせぐためにNDフィルターを使用した以外は、上の写真はRAW現像などの加工はしていません。
拡大してみます。ノイズも目立たず、渋谷スクランブル交差点の看板まで拡大してもくっきりと良く写っています。
旧機種LGV31(上:F2.4、ISO300、1/25秒)と、LGV32(下:F1.8、ISO300、1/25秒)の比較画像。どちらもオートでパシャッと撮っています。
下のLGV32ことisai vividの方がF値のぶん明るく撮影できていますね。でも旧機種のLGV31でも十分キレイだということもわかりました。
オート設定でもここまで明るく、AFも素早く、パシャッと撮影できます。
それにしてもisai vivid、スナップ撮影なら本当にこれで十分です。細かい設定・コントロールの類はやはり一眼レフの方が優れていますが、一眼レフに匹敵するほどの画質で撮影できるというのはあながち誇張ではないことが身にしみてわかったのでした。
ギズモード編集部は、渋谷スクランブル交差点での撮影でisai vividの性能に満足したのですが、もっと別のシチュエーションで撮ってみようではないかというわけで、後日、大橋ジャンクションに集結する私達。
今度は車のライトをスローシャッターで流しながら、かっこよく虹を出して、vividをつくろう。さらに、かっこいい写真を撮ってやるんだから!
走る松葉(注:一般の歩行者には充分に配慮して撮影を行っています)。
シャッターを押すだけの私。
isai vividはRAWでの撮影も可能です。後から現像・加工主義のフォトグラファーとしては非常に素晴らしい機能です。
Lightroomで現像。当然、JPEGよりはるかに写真の明暗や色味をコントロールできます。
そこで最終的に完成したのは以下の2枚。
(F1.8、ISO50、8秒、NDフィルター使用)
(F1.8、ISO50、8秒、NDフィルター使用)
どうでしょう。当然この写真を撮影するために数々の失敗を重ねているわけですが、vividの方は、背景のテールランプとフロントライトの色味も流れる線も美しく、vividの文字の神々しさはどことなく「GIZMODO」のロゴにも似ています。
虹の方も、フロントライトの光の流線と、踊る虹のラインが不思議なコントラストを醸し出している…と思っています。
スマートフォンのカメラでも、isai vivid並みの性能があれば、工夫次第でここまでクールな写真が撮れるのですね。
どーん!
こちら、JR秋葉原駅の昭和通り口側に掲示された駅貼り広告。こうやって大きく掲示されているのは嬉しいですね。解像度も問題なし、ばっちり大判印刷に映えています。
この駅貼り広告は上の写真のように、JR山手線の6つの駅で展開されています。池袋・秋葉原にギズモードのものが、新宿・渋谷・新橋・東京の各駅にはInstagramerの作品が掲示中。8月31日(月)までなので、ぜひ見てみてね。
そのほか、夏休みの日々をisai vividで撮影してみた写真です。以下は一切加工なし。
休み中はコンデジも一眼レフも持っていかず、isai vividだけで過ごしていたのですが不便はほとんどありませんでした。どんなシーンも万能に鮮やかに撮影できます。はっきり言ってisai vividだけで全然いけました。
(F1.8、ISO50、1/2,800秒、HDR/パノラマオート撮影)
夏の甲子園をHDRモードでパノラマ撮影。ダイナミックな雲のハイライトをHDRで再現しつつも、観衆の解像感は中々のものです。
(F1.8、ISO50、1/250秒、HDRオート撮影)
夏の朝、コントラスト激しい風景もHDRで鮮やかに。ディスプレイの輝度が高いので、眩しい夏の日もディスプレイを見ながら撮影できます。
(F1.8、ISO50、1/2,000秒、オート撮影)
動物もいけますよ。亀の甲羅や皮膚の質感もばっちり捉えています。解像感出てますね〜。
(F1.8、ISO50、1/1250秒、オート撮影)
植物ももちろんばっちりと。鮮やかに、vividに撮影できます。
(F1.8、ISO200、1/25秒、オート撮影)
室内で、かなり近づいての鳥の撮影もいけます。ピントも決まって背後のボケ感も良い感じ。
(F1.8、ISO300、1/25秒、オート撮影)
屋外フェスの臨場感溢れる雰囲気もバッチリ捉えます。これはサマーソニックの時。
私はAndroidはあまり馴染みがなかったのですが、サブカメラ&サブ機のスマートフォンとしてisai vividを併用するのもアリだなと本気で思いました。
ますますスマホとコンパクトデジタルカメラの境目がなくなってきているのを実感しました。isai vividだったら、きっとその辺の安価なコンデジよりずっと性能が良かったりします。目的があった上で写真をしっかり撮りたいときは一眼レフカメラが必要かな。当然ですね。でもシチュエーションによっては一眼レフ級クオリティなのは間違いありません。
source: isai vivid LGV32 , isai vividで撮影(してみた)
(mayumine)