中国メディアの広西新聞網は25日、高いものでは5000元(約9万円)もする日本の小学生用のランドセルが近ごろ中国で人気を集めていると伝え、日本を訪れる中国人旅行客の買い物の対象が温水洗浄便座からランドセルに変わりつつあると伝える一方で、日本のランドセルから中国人が学ぶべき点は多いと論じた。
記事は、ランドセルが中国で人気を集めているとする一方、一部の購入者からは「ランドセルは中国の学生にとってはあまり使い勝手が良くない」との声があがっていると主張。その理由として、ランドセルは重く、容量が小さく、デザインが単一であるためなどとし、ランドセルを購入した中国人に対して盲目的な「国外崇拝」が招いた失敗だと揶揄する声もあると論じた。
続けて、ランドセルが中国では受け入れられない可能性はあるとしながらも、ランドセルが中国で人気が高まったことから中国人は教訓を学び取る必要があると主張。1つ目の教訓として「ランドセルの品質の高さ」を挙げ、1つの学生用かばんが6年間も使い続けることに驚きを示しつつ、「ランドセルのような耐久性を持つ中国製品は存在するのだろうか?」と疑問を投げかけた。
さらに、「中国の教育界は反省すべきだ」とし、ランドセルの容量が小さいのは「日本の子どもたちの勉強面での負担が小さいことを意味するもの」とし、中国の子どもたちの勉強面での負担は大きすぎると指摘。大きなかばんでなければ足りないほど多くの教材や宿題、ノートなどを持ち歩く必要があるとし、「子どもたちの負担を減らすべきだ」と論じた。
また記事は、ランドセルとは断定していないものの、「日本の学生用カバンには鉄板が入っている」と伝え、地震発生時に頭部を保護することができると主張し、「こうした安全理念は称賛に値する」と主張した。中国メディア側には誤解があるように思われるが、その後も「日本の学生用カバンには鉄板が入っている」という前提のもとで文章は続き、「中国政府も日本に倣って安全教育を広めるべきであり、それでこそ子どもたちは災害時に自ら身を守ることができる」などと論じた。
そのほか、ランドセルのデザインが単一であることで「子どもたちが自分が持っているランドセルで“比較される”ことを防ぐことができる」と指摘し、一方の中国では子どものころから高額な製品を持たせて富をひけらかす人もいることを批判し、日本のランドセルから中国人が学ぶべき点は多いと論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)