映画の話じゃないですよ。
ブラックホール、それはこの世の全てを飲み込む闇の渦…、的なイメージが強いと思いますが、では実際に飲み込まれてみたらどうなると思います? スティーブン・ホーキング氏によれば、なんと別の宇宙にたどり着くのだとか。
なんともSFちっくな話ですが、これは、世界的に著名な物理学者ホーキング氏の「ブラックホール情報パラドックス」に対する最新の見解です。プラックホール情報パラドックスはものすごく端的に言うと、ブラックホールの中では量子的な情報は完全に消失するというもので、これは量子力学の法則から言うと絶対にありえないと多くの論争を呼びました。
今週ストックホルムで行われた公開講演で、ホーキング氏は宇宙旅行を夢見る人々を安心させる、こんなこと言っているんです。「もし、ブラックホールの中に入ってしまっても諦めないで。外に出る方法はあります。」
スウェーデン王立工科大学のブログに書かれた、ホーキング氏の新しい理論によると、うっかりブラックホールに落ちてしまったというなんとも悲惨な状況から脱出するには、2つの方法があるようです。ひとつはブラックホールの縁で永遠に2次元ホログラムとして生きる方法(絶対にイヤ)。そしてもうひとつが、別の宇宙に進路変更する方法です。
「ブラックホールと別の宇宙の存在はこれが可能だということを示唆しています。」とホーキング氏は語ります。「ブラックホールは大きくなっていくだろうし、回転していれば他の宇宙へ繋がる道もあるでしょう。ただし、行ったら2度と元の宇宙には戻って来れませんがね。」
個人的には、この全く新しいブラックホールの理論は夢があるし嫌いじゃありません。でもやっぱり、物理の法則も通じない別の宇宙に行き着いて、身体中の原子という原子がバラバラになって吸い込まれてしまうってのがちょっとなぁ。宇宙からしたらちっぽけな存在かもしれないけど、死ぬまではせめて人間の形でいたいなぁ…。
source: KTH via The Guardian
Maddie Stone - Gizmodo US[原文]
(SHIORI)