武藤貴也議員のブログが「ブラックすぎる」と話題に 「滅私奉公は古来からある日本人的価値観」 | ニコニコニュース

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自民党を離党した武藤貴也議員が、8月26日に釈明会見を行った。未公開株問題に関する報道には「内容に誤りがある」とし議員辞職を否定したが、会見会場から雑誌記者やネットニュースを閉め出すなど責任追及逃れの姿勢に批判が集まっている。

そんな中、3年前に書かれたブログの内容が「ブラック過ぎる」とあらためて注目を集めている。日本国憲法の「国民主権・基本的人権の尊重・平和主義」という三大原理が「日本的精神」を破壊し、現在の日本の「精神的荒廃」をもたらしたという内容だ。

基本的人権を「日本的精神を破壊した主犯」と批判

2012年7月23日に投稿されたもので、タイトルは「日本国憲法によって破壊された日本人的価値観。」というもの。かつての日本は法治主義ではなく「徳治主義」であったと指摘し、日本的価値観として「勤勉」「正直」「誠実」「勇気」「謙虚」「滅私奉公」といった徳が「古来からある」とした。

そして現行憲法が掲げる「基本的人権の尊重」が、このような日本的精神を破壊した「主犯」と主張。戦前には国家や地域、家族の中では人権が制限されて当たり前と考えられていたとした上で、こう続けている。

「国家や地域を守るためには基本的人権は、例え『生存権』であっても制限されるものだというのがいわば『常識』であった」
「その根底には『滅私奉公』という『日本精神』があったことは言うまでも無い」

同様の主張は、最近のツイートにも見られる。未公開株問題が話題になる前の7月31日には、安保法案を批判する学生団体の「だって戦争に行きたくないじゃん」という主張を「自分中心、極端な利己的考え」とし、これを「戦後教育のせい」と批判している。

ブログのコメント欄には支持者と思われる人たちから「全く持ってその通りです」「正に核心をついています」といった声もあるが、一般読者はおおむね驚き呆れている。

「こんな大日本帝国万歳みたいな国会議員がいるのか。。。」
「つまり終戦前はいじめなんてなかったのかー(棒」
「自由・人権・平和という国民にとって最も大切なものを否定して守る『国家』とは一体…」

「ブラック企業への見解をただせ」という声も

ネットユーザーの中には、現代日本にはびこるブラック企業を連想させる「滅私奉公」という言葉に反応した読者も少なくない。

「『滅私奉公』が美徳の社会って嫌な感じだね」
「(武藤氏は)戦前の滅私奉公で得られたものがなんだったかまったく理解してない」

滅私奉公の名の下に個人の人権が制限されてきたのは、何も戦前ばかりではない。ダグラス・グラマン事件の捜査を受けて自殺した日商岩井の島田三敬常務が、遺書にこう書き残したのは1979年のことだ。

「会社の生命は永遠です。その永遠のために、私たちは奉仕すべきです」

ネットでは野党に対し、「『(武藤議員は)ブラック企業の蔓延と過労死についていかがお考えか?』と国会で追及してくれよ」と注文を出すコメントも出ていた。

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