他国の文化を何でも「我が国発祥」と主張する韓国の“ウリジナル”活動。韓国語の「ウリ(我々)」をもじって揶揄される説によれば、茶道、剣道、相撲からソメイヨシノまですべて韓国起源となってしまう。彼らの珍説を、在韓ジャーナリストの藤原修平氏が再検証する。
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文化も食事もウリジナルだ。
2011年5月8日、パリで開催された韓国文化紹介のイベントでは、「忍者・忍術が朝鮮半島から甲賀・伊賀に移住した渡来人によって伝えられた」と紹介された。また、「忍者の起源は新羅軍の特殊部隊“スルサ”」だと主張する韓国の忍者マニア団体もある。彼らは世界各国で派手な忍者パフォーマンスを披露しているが、忍者の本来の任務が諜報ということは知らないらしい。
歌舞伎に至っては、韓国起源説が「日本の共通認識」だとされている。2006年9月11日付の『朝鮮日報』によれば、日本では歌舞伎の起源が「百済伎楽」とされているというのだ。だが、百済は新羅に敗れ660年に滅亡。百済伎楽は途絶え、その後、継承されることはなかった。歌舞伎は戦国時代から江戸時代にかけて庶民の中で生まれた日本独自の大衆芸能である。
韓国側の“宣伝”によって、「折り紙は植民地時代に日本人が自分たちの文化だと偽って世界に広めた」と信じる韓国人も少なくない。
世界7か国語で折り紙の普及サイトを運営し、第一人者として知られる折り紙作家の新宮文明氏はこう指摘する。
「ルーツは『儀礼折り紙』で、平安時代頃から公家の間で贈答品を紙で包む風習が始まったとされています。これには、日本独自の薄くて張りのある和紙の発明が不可欠でした」
それでも韓国人は世界で「オリガミ」という言葉が流通していることを不満とし、「チョンイジョプキ」という韓国語を広める計画が進行中だ。
韓国には、「日本は外来文化を真似する」という間違った固定観念がある。そのため、韓国発祥の食べ物がそのまま日本で広まったという専門家があとを絶たない。
慶南大学伝統食生活文化研究院所長の金ヨンボク氏もその一人で、2008年2月14日の『慶南道民日報』に紹介されたコメントによると、「メミルグクス」という韓国のそば粉麺を「日本が模倣して蕎麦にした」のだそうだ。作物としての蕎麦は中国から日本に伝えられ、蕎麦切りの記録は長野周辺に多く見られる。日本の蕎麦は信州起源なのだ。
さらに金氏は前出の記事で、「韓国料理の“パプシッケ”を模倣したのが寿司だ」と言い放った。パプシッケとは、生の白身魚の細かい切り身をもち米と大量の赤唐辛子粉末と混ぜて数日間発酵させたもので、見た目はビビンバのような代物だ。日本の寿司とは似ても似つかない。
※SAPIO2015年9月号