そんな未来予想図がぽわわわんと。
Amazonプライム、動画配信サービス「プライム・ビデオ」9月スタート。会員は追加料金なしでお伝えしたAmazonの新サービス「プライム・ビデオ」。dTV、楽天SHOWTIME、U-NEXT、hulu、そしてNetflixと、多くのプレーヤーでひしめきあっているサブスクリプション式有料動画配信サービスの市場に、猛烈な強打者が乗り込んできましたよ。
ユーザーとしては、お値段が安く、コンテンツが豊富で、画質がいい(もしくは環境によって選べる)サービスが一番いいに決まっています。よほどのビデオジャンキーでなければ複数の有料サービスを使うメリットはないでしょうし。
実際のところ、プライム・ビデオはどうなのでしょうか。アマゾンジャパン代表取締役社長のジャスパー・チャンさんと、Amazon国際部担当副社長ティム・レスリーさんにお話を伺ってきました。
ギズ どんなコンテンツがあるのですか?
ジャスパー・チャン 詳しくは後日発表させていただきます。
ギズ スマートビデオやゲーム機でも見られるとのことですが、どんなメーカーさんとお話しているのですか?
ティム・レスリー それもまた後日に...。
ギズ 9月から開始とのことですが、具体的には何日からでしょうか?
ティム・レスリー ええ、それも後日に(笑)
と、おちゃらけてる場合ではありません。実のところAmazonが動画配信サービスを行うというのはかなりのインパクトがあるのですから。それも、映像などの作品を作っている方々にとって。
2011年。Amazonはインターネット上にAmazon Studiosという映画スタジオを立ち上げました。世界中から脚本や映画を投稿できるオンラインスタジオで、ベストムービーアワードは100万ドル、最優秀脚本賞は20万ドルの賞金がゲットできるコンテストも開催されています。アメリカンドリームすぎます。
子供の頃から映画漬けだったクエンティン・タランティーノ、MTVで数多のPVを作ってきたデヴィッド・フィンチャーといったように、新しい感性をもった映画監督が次々と誕生してきたこの数十年。ならばこそ、いまはネットカルチャーを知った人が映像の世界に入ってくるべきと考えたのでしょうか。Amazon Studiosはネット経由でポストされた作品も含め、様々な映像作品の制作に着手。中にはゴールデングローブ賞を受賞した「トランスペアレント」といったドラマも生まれました。
他にも脚本をアップロードすると絵コンテを生成してくれるオンライン絵コンテツールを提供したり、スパイク・リーと映画を作り始めたりと、Amazonは動画コンテンツを配信する立場を超えて、次世代のハリウッドとなることを目指しているかのよう。
そして日本で15年間もDVDやCD、本を売り続け、日本のユーザーがどんなコンテンツを求めているかの知己と、Amazon Studiosで得た映像制作技術、そのほかを持ち寄って、日本での独自コンテンツ制作にも乗り出します。
現在ロサンゼルスで稼働しているAmazon Studiosと同じような組織を日本にも作るかどうかという問に対してティム・レスリーさんは、「将来の計画において明確にお伝えすることはできないんですけど」前置きしたうえで、作品に関してはコンテンツクリエイターの皆さんと現在検討をしていると話をしてくれました。ジャスパー・チャンさんからも制作スタジオやコンテンツプロバイダとネットワークを組んでいくというお話をいただきました。
そしてティム・レスリーさんは言います。「日本で制作したコンテンツは世界中で見てもらえるようにしたい」と。
当初は現在内々に打ち合わせをしている方の作品が登場するでしょう。でもプライム・ビデオの利用者が増えればAmazon Studiosの日本版ができる可能性は高まります。そしてAmazon Studiosで認められる脚本が書ける人であれば、Amazonのプラットフォームを使った全世界デビューも夢ではなくなります。
もしかしたらいか天のような、映像方面の登竜門となるかもしれないプライム・ビデオ。新しい才能を発掘する目的でも、じっくりとチェックしていきたくなりますね。
なお海外のプライム・ビデオを見てみると、アベンジャーズにエクスペンダブルズにワールド・ウォーZ、トランスフォーマーやキル・ビルなど盛りだくさん! これらがAmazonプライムの会員費だけで見られるようになったら、アクション映画だけでも毎日が楽しくなりそう!
source:Amazon
(武者良太)