確かにそう見えなくはないのですが…。
これは「アインシュタインとそのセラピスト」として、頻繁にSNSなどで回ってくる画像。ツイッターやフェイスブックで「世界の歴史的瞬間」なんてアカウントをフォローしていたなら、おそらく何度も目にしていることでしょう。
すでに彼の晩年でもあり、率直に言ってアインシュタインがやや貧相というか病弱に見えるため、ついついセラピストかお医者さんに診てもらっていると思いがちですが、実際はまったく違います。
この隣に写っている男性は、CIAの職員で、戦後に発足した組織である世界連邦運動のトップも務めたCord Meyer Jr氏。
実際のところは、Meyer氏が世界政治についてアインシュタインの助言を求めている、という姿なんです。
Einstein and his therapist. "Happiness in intelligent people is the rarest thing I know." pic.twitter.com/4XTFOHU2m7
— Historical Pics (@HistoricalPics) 2015, 8月 19
そして、この写真にいつも付けられているのが「知的な人間は、幸福感を得難い」などの文章です(ちなみにこれはヘミングウェイの言葉)。平均より頭がいいと思っている我々全員は、この写真と文章を見て「ほら、あのアインシュタインだって悩んでたんだ。賢い人間ほど悩むものなんだよ」なんて自分を鼓舞するわけです。
まぁそうやって勇気づけられるのはよしとしても、とにかくこの写真は「アインシュタインとセラピスト」ではありません。間違ってるものは間違ってるんです。
Webの登場により、情報が素早く爆発的に広まるようになったのは素晴らしいことですが、時に誤ったものがあること、それに真偽不明なものはうかつに広めないことを心がけたいものですね。
Matt Novak - Gizmodo FACTUALLY[原文]
(渡邊徹則)