SKE48の1期生でエースとしてグループをけん引した松井玲奈が8月31日、名古屋・栄のSKE48劇場で卒業公演を行った。「SKEのかすみ草」がキャッチフレーズだった玲奈は「次はかすみ草じゃなくて、もっともっと大きな花を咲かせられればと思います。この7年間はすべてが私の宝物です。だからこれを大事にこれから先も頑張っていきます」と決意表明し、2008年7月31日に『SKE48オープニングメンバーオーディション』に合格してから7年1ヶ月、2588日間のアイドル活動に終止符を打った。
8月29・30日の愛知・豊田スタジアム2days公演では7万5000人を動員したが、最後の劇場公演を観覧できたのは、定員の285人だけというプラチナチケットに。劇場は繁華街にあることから、玲奈は自身のツイッターで終演後のあいさつができないことを説明したが、それでも劇場が入っているビル「SUNSHINE SAKAE」周辺や「SKE48 CAFE&SHOP」には約2000人のファンが集結。劇場内のモニターとビル地下1階の特設会場で行われたパブリックビューイング250人分も抽選となった。
開演前には、玲奈が「SKE48 CAFE&SHOP」であいさつするサプライズの後、午後5時半から公演がスタート。玲奈は所属するチームEメンバーとともにハツラツとパフォーマンスし、「Glory days」ではバックダンサーとして出演したほか、「雨のピアニスト」はいつもより激しく、妖艶に歌い上げた。
アンコールでは、玲奈の最初で最後の単独センターシングル「前のめり」や、オーディション合格日から卒業までの日数をタイトルにしたソロ曲「2588日」を熱唱。昨年5月に玲奈からチームEのリーダーを引き継いだ須田亜香里は「私を含め、玲奈さんの姿を見て、なりたい自分を想像してきたメンバーはたくさんいます。不安も多いけど、安心してもらえるようにみんなで頑張るから見守っていてください。玲奈さん卒業おめでとうございます」と手紙を読み上げて背中を押した。
玲奈は「最初、SKE48は公演の回数も少なくて、その公演のためだけに毎日レッスンをして、週に1回の公演に出ることが人生の何よりの幸せでした」と回顧。松井珠理奈と2枚看板を張ってきたものの、当初の立ち位置は3列目の端とあり「私は公演でみんなの陰に隠れていたんですが、たくさんの方たちが私のことを見つけてくださって、ここまで引っ張りあげてくださった。応援してくださる皆さんが、輝かせてくれるパワーだと思います」とファンに感謝した。
「私の青春はSKE48だと言えることが、私の誇りです」と胸を張った玲奈は、「2588日」の歌詞にもあるように、「次の花を咲かせるために準備を始めます。皆さんにまた、大きな花を咲かせるところを見てもらえるように、応援していただけたらうれしいなと思います」と呼びかけた。
ここまで涙をこらえていた玲奈は、最後の曲紹介をする前に、この日初めて涙を見せた。言葉を詰まらせながらも「SKE48として最後にこの曲を歌えることを、本当にうれしく思います。きょう来れなかった皆さんとメンバーみんなに、思いが届けばいいな」と話し、「遠くにいても」を出演メンバー全員で歌ってSKE48を巣立った。