幸いなことに、けが人は出なかった模様。
先週金曜日、中国山西省のとある民家に、屋根を突き破るほどの巨大なロケットエンジンが落ちてくるという、なんとも恐ろしい事故が発生しました。
中国の新華社通信などの報道によると、これはLong March 4Cと呼ばれるロケットのノズルで、その前日に太原市の基地から発射されたYaogan-27という人工衛星の一部ではないかと見られています。
驚くのは、このような事故は初めてではないということ。今年の1月には、西昌衛星発射センターから発射された人工衛星の一部が、約500キロメートル離れた貴州省の福泉市の道端にあるのが見つかりました。こちらは、Long March 3Aという別の気象衛星を運んでいたロケットとのことです。
中国のロケット発射施設は、主に山などに囲まれた内陸側に集中しています。かと言ってその周辺に住む人が少ないわけではなく、こういった事故に対するリスク対策ができていないのが現実のようです。
有名なロシアのバイコヌール宇宙基地も同じように内陸にありますが、周辺の人口密度は中国ほどではありません。また、日本やアメリカ、インドやヨーロッパ諸国の打ち上げ場所は概ね海岸側にあり、ロケットの残骸は海に落ちることがほとんどです。
さらに気になるのが、これが「スパイ衛星なのではないか」いう噂があること。前述の新華社通信によると、中国政府はこの衛星の利用目的を事前に発表しておらず、無事軌道上に乗った後に「土地の調査、農作物の収穫高予想、及び防災や各種実験」に必要だと説明したというのです。
真相は闇の中ですが、重大な事故が起こってからでは遅いですからね…。
image by SinoDefence
source: SinoDefence and Spaceflight Now 1/2
Kiona Smith-Strickland - Gizmodo US[原文]
(渡邊徹則)