数カ月前に転居したのですが、そのとき「和室あり」物件を選択肢に含むかどうかは悩みどころでした。畳の部屋から漂う独特の匂いや雰囲気は、捨て難い魅力的要素だったから。とはいえ、家具の跡がつくのは考えものだし。
結果、フローリングの部屋に住む現在です。でも、畳への恋しさは未だあるなぁ……。
しかし、畳に触れるチャンスを逸したわけではない。こんなものを見つけてしまいました。オンラインショップの「fu-bi(フウビ)」が今月より発売しているのは、その名も『挽野畳文庫本カバー』です。まずは、商品を見てみましょう。
おわっ、畳! それでいて、ブックカバー。大胆だねぇ、しかし。
「実は他社からも、畳を素材に使ったブックカバーはすでに販売されているんです。私も畳が好きなのでそれらを使ったことがあるのですが、どうしても不満足な部分が目につきまして……」(fu-bi代表・鈴木さん)
例えば。畳にある縁(へり)を省略してしまったブックカバーが、世には溢れているというのです。それは、物足りないぞ……。
「また他の畳ブックカバーは本をホールドする部分がなく、本の外側からただ被せるだけでした。要するに、ズレることが多かったんです。そこで今回は縁の部分を縫い、本を上からスポっと収められるよう工夫いたしました」(鈴木さん)
とはいえ、今回も気になる点が無いわけじゃない。いくつか突っ込ませてください。まず、このブックカバーだと本に匂いが移らないですかね?
「私もこのブックカバーを一カ月使っていますが、そういうことは無いですよ」(鈴木さん)
そうですか、安心しました! というか畳の匂いを嫌う人がこのブックカバーを購入しないとは思うのだけど……。
「それも、無いです。もちろん、こすって剥げたり畳の繊維が出てきたりはあると思うのですが」(鈴木さん)
畳なので、使い込むうちに風合いが変化していくのは当然。それも、このブックカバーの特徴であり魅力の一つ。不便を被るレベルではないですが、年月による色や匂いの円熟を"味"として受け止めていただきたいのです。
そんな『挽野畳文庫本カバー』の価格は、各1,680円(税込)。あじろ柄で緑色の「鴬(うぐいす)」、紺色の「藍(あい)」、茶色の「茶(ちゃ)」の3種類がラインナップされています。
「昭和2年から約90年続く『挽野畳店』の熟練した技を持つ畳職人がひとつひとつ丹精込めて作り上げた逸品です」(鈴木さん)
最後に、今後の展望について。
「最近はフローリングの普及により、畳を使いたいのに触れられない方が多いと思います。そんな方々にこそ手に取っていただきたいですし、畳に興味のある外国人の方にもご購入いただければと考えています」(鈴木さん)
このブックカバー、なんと海外展開の可能性もあるらしいですよ!