Varietyは31日(現地時間)、米アップルが、新たに “独自のTV番組や映画” の製作を計画している可能性を報じています。
Varietyによると、アップルは今後数ヶ月以内にも映像コンテンツ製作に関する新部門の設立および人員の雇用を開始し、2016年より正式に部門の運営を開始する見込みであるほか、既にアップルは米ハリウッド幹部とこの件に関する協議に入っている模様とのことです。
なお、現時点ではこの計画は “ごく初期段階” にあり、実際にどのようなコンテンツが製作されることになるかも不明ではあるものの、ここ最近のアップルのTV番組ないし映画製作に対する関心は着実に高まりつつあることを、Varietyは指摘しています。
そのほか先日には、英国で人気を誇る自動車情報の長寿番組「Top Gear」の元司会として知られるジェレミー・クラークソン、ジェームズ・メイおよびリチャード・ハモンドの3名が、今年7月に米アマゾンに雇い入れられたことが報じられましたが、実はアップルも彼らを雇用すべく交渉を持ちかけていた模様です。
リチャード・ハモンド氏(左)、ジェレミー・クラークソン氏(中央)、ジェームズ・メイ氏(右)
デジタル製品およびソフトウェア製品の開発・販売を手掛ける企業であるはずのアップルが、新たに人気司会者を雇用すべく行動したというのは何とも奇妙な話のようにも聞こえますが、今回Varietyが報じる内容が事実だとするならば、このアップルの行動にも合点がいくように思われます。
また、TV番組を制作する上では、その内容もさることながら “番組の顔” となる司会役の人選も非常に重要な要素である点を踏まえると、今後アップルが人気司会者の雇用や場合によっては引き抜きを開始するかもしれません。
なおこれまでにも、アップルが独自のTV番組配信サービスの提供を計画していることは報じられてきましたが(過去記事)、現時点ではその登場時期や課金形態などを含め、確定的な情報は何一つとして判明していません。
非常に多くのメディアを傘下に収めるメディア・コングロマリットの一例
一方で、ディズニーやCBS、21世紀フォックスなどの世界有数のメディア・コングロマリットとの間にパートナーシップが形成されている見込みとも報じられており、もしそれが事実だとするならば、独自の映像コンテンツを作成するための “土台” は既に整いつつあると言えるのではないでしょうか。
残念ながら、計画のほとんどは未だに謎に包まれたままではありますが、既にアップルは「Apple Music」というサブスクリプション方式による課金形態とストリーミング方式によるコンテンツ配信を実現しているほか、「Beats 1」という独自の音楽番組の配信も開始しています。
その “事実” を踏まえると、いずれ発表されるであろうTV番組配信サービスの全貌がおぼろげながらに見えてくるような気もします。9月9日に開催が予告される秋の新製品発表イベント(過去記事)では、何らかの情報が開示されることになるかもしれません。